マネー&ライフ

50代・貯金や退職金がゼロでも老後対策は可能

時々一回り以上年上の人たちからも、どうやって資産運用をしているのか?とアドバイスを求められることがあります。聞けば定年まで時間が残り少ないことから老後が心配とのことですが、真面目で誠実そうな人だったので、 例え50代の時点で貯金がゼロでしかも退職金が出ないような仕事に就いておいたとしても、老後対策は十分に可能と答えてあげました。

今回はその具体的な方法について触れたいと思います。

50~55歳時からでも老後に備えることは可能

今の世の中を見ていると「いい仕事」に巡り会える人は本当に少ないように思えます。真っ当に生きてきたのにおそらく人生の最後まで苦しそうに見える人が多いように感じられ、そう言ってしまえば人間含めてどの生物も大体そういうものなのかもしれませんが、先日整体院でたまたま話した人もその中の一人でした。

地元の小さな企業にいまの歳(50代前半?)までずっと勤めてきたため毎年の昇給もわずかで給料は今でも安いとのことです。額は聞いた感じでは20万円前後で、そうしたケースもわりと普通なのかもしれません。

しかもあと10年?働いても退職金は出ないとのことで、老後資金としては勤め先からは何も期待できないようです。一般的にはわりと定年で一旦仕事を辞めると退職金が入ってくるかのようなイメージを持たれていたりもしますが、退職金制度がない勤め先というのもたくさんあるようです。

これまであまり貯えることもできなかったので、65歳以上でどうなるか心配だがどうすればよいかと聞かれたので、具体的に取れそうな対策を教えてあげました。

貯金がないから心配とのことですが、 例えば、週刊女性の「「貯金なし」「退職金ゼロ」でも老後資金を貯めたい! 世帯別の対策法をプロが伝授」などにも「 定年後は貯金で暮らすしかないと思わないで 」あるとおり、貯めたお金を取り崩して生き続けるという発想にとらわれる必要はありません。

貯金は一度使えば消えて無くなります。消えて無くなるものをいくら積み上げても安心はできないのですから、安心できないものを頑張って積み上げることにはあまり意味がありません。現金の塊など無くても、自分の代わりにお金を稼いでくれるものを持てば、十分に安心を得られます。

原資はあまりないとのことでしたが、聞けば何とか嗜好品や遊びに使っているお金を多少「一時的な貯金」に回すことは可能なようなので、何とか毎月3万円貯めて投資の種銭を作ることを提案しました。

お金を稼いでくれるものを増やす

今の年齢とあと何年勤められるのかが正確には分からないのですが、配達の仕事なので、60代前半は何とか勤められる前提での提案にはなってしまったのですが…

投資はやったことがないので…と言うのですが、投資には学歴も資格も必要ありません。要らないどころか完全な役立たずで、実力勝負のフェアな世界です。生身の人間が稼ぐわけではないので、「○○な生まれだから」とかは何の助けにもならず言い訳にも使えません。

さてでは、毎月3万円もあれば、

約6年で200万円貯めて、どこかに最初の1つめとなる状態のいい中古の戸建てなどの不動産が買うことができます。これに最小限のリフォームを施して広告費を払い客付けをしてもらって入居者が付くと、手取りで毎月3万円以上の家賃が入ります。

その後も毎月3万円の貯金と家賃を合わせると、スピードが加速するので今度は半分の3年程度で2つめの不動産が買えます。そしてこれもまた最初の1件目と同じように賃貸市場に出します。そうすることで、家賃収入をまた毎月3万円以上増えすことができます。

そしてまた同じように貯金を続けて家賃も貯め続けることで、そのあとも2年掛からないくらいで3件目の不動産を買えます。これも同じように賃貸市場に出すことで、また家賃収入を毎月3万円以上は増やせます。

ここまで約11年くらい。50代前半くらいから始めたとしたら、そろそろ年金受給年齢に達する頃ですが、配送の仕事ならもしかしたらまだ需要があるかもしれません。

無理なく働き続けることで、新たに入ってくる年金収入と継続している貯金と家賃の上がりを合わせれば、毎月15~20万円くらいは投資できるようになっているはずです。

これまで不動産だけに投資をしてきましたが、将来的な医療費のことなども考えるとその先は現金に近いものへの投資に切り替えたほうが良いので、ここからは株式への投資に切り替えます。

実際には6月や12月に数注しますが、毎月平均で1万円分の配当収入を得るためには、240~300万円の原資を年利換算で4~5%の配当が付く銘柄に入れる必要がありますが、先程触れた毎月の貯金と副収入全ての上がりを合わせれば、だいたい1年強~1年半ごとくらいに、毎月1万円分の配当収入を増やし続けることができます。

実際には複利の効果が付くので、前述の単純計算よりも少し早くなりますが、本当の引退までの約5年を上手く使うことで、全ての家賃と配当の上がりを合わせると、その頃には毎月の副収入の合計は十数万円の規模になっているでしょう。

お金をいくら積み上げられるかよりも、毎月いくら稼げるかを意識すること

70歳時点でここまでくれば、年金収入が例え10万円以下とかだったとしても全く問題はありません。副収入が毎月十数万円もあれば、単身の高齢者の毎月の平均的な生活費11~14万円を軽く上回るので、何の心配もありません。

よく多くのFPらが推奨するような「とにかく貯める」「老後にそれを取り崩す」「足りなければ働く」の考えだけでは、こういう安心を得るのはほぼ不可能なことです。

昨年、老後2,000万円問題なんてものが流行りましたが、注目すべきは「一度使ったら消えて無くなる現金を、いくら積み上げることができたか」ではありません。大事なのは「この先毎月続けていくら稼ぎ続けることができるか」です。

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