もともと不安定になりつつあったものが、コロナ禍によってさらに不安定になり、この先どうなるのかと不安を抱えている人は多いかと思います。ではどうすればよいかというと、答えは簡単です。
公的か民間かを問わず、勤め先や制度といったものには過度に期待せず、じぶんで自分のもの(資産)を築き上げること、が安心への一番の近道です。
「ふつうに働き続ければ何とかなる」とはならない
普通もしくは当たり前とされていたものが壊れ始めています。これまでは、どこかで一生勤め上げれば老後もそれなりに生きていけるとされていましたが、この先はなかなかそうはいきません。
企業は国内外で厳しい競争にさらされることになり、何とか進化し続けなければならないし、公的なところも財政難などによって人間を多く雇う余裕は無いので、40歳くらいからクビになることも珍しくはなくなりました。
社会に出たての人は現役でいられる時間が短くなってしまい大変かもしれませんが、今40代・50代の人も他人事ではないどころか、むしろもっと危ないのでは。コスト削減のために切らなければならないとなったら切られるので、逃げきれると思っているのであれば甘すぎます。
All Aboutの「老後貧乏につながる現役世代の5つの間違い思考パターン」( https://allabout.co.jp/gm/gc/474240/ )などにも、最後はだれかがどうにかして面倒を見てくれるという認識を強く持っている人はいまだに多いとありますが、現役時代~老後をそこそこ幸せに生きていくためには、まずこれを改めていかないと難しいでしょう。
老後資金としては、中には親の遺産を頼りにしている人もいるとのことですが、自分のものでないものをあてにするのは危険ですし、先程の記事中にもあるとおり相続に関しては控除も薄くなり課税が強化されているし、人の寿命が延びていることから、意外とほとんど残らないかもしれません。言い方は悪いですが、持っているお金の範囲で亡くなってくれれば、負担にはならないので、それだけで御の字ではないでしょうか。
また、お金を上手く管理していくには、夫婦の協力も不可欠とあります。二人で危機感を共有しないとなかなか無駄遣いを止めにくいのは確かです。「働く」以外の手段があれば、一人で備えていくことも可能ですが、二人で協力するほうが、投資で収入源を増やせるスピードはもっと速くなります。
合わせて、ふだんから生活コストを掛け過ぎないことも大切です。ここでも何度か「パーキンソンの法則」について触れてきましたし、また先程の記事中にもあるとおり、生活費は収入の多さに比例してしまう傾向があり、どんなにがんばって給料を稼いでも、それに伴い支出が増えるので、「お金が足りないのであれば、もっと働く」は解決策になりません。
「稼ぎが増えても、生活レベルを引き上げない」を実行しないと、決して楽にはなりません。収入-支出を意識しないと、老後への蓄えや投資用の種銭も作れません。
自分で備えるってどういうことか?
制度や勤め先に頼らず自分でクビのリスクや老後に備えるというのはどういうことかというと、つまり自分だけのものを積み上げるということです。
労働は何かスキルを身につけたり誰かのためになる仕事をするということで、よいことではありますが、ひとつ大きな難点があります。それは自分の資産にならない=それを再利用して半ば自動的にお金を稼ぐ、ができないという点です。
勤め先での頑張りは雇い主のものになってしまうので、クビになった時や病気や歳を取って働けなくなってときに助けになってくれません。
ですから、なるべく早いうちから、不動産や株式あるいはデジタルなものでも良いので、とにかく長期でわりと安定的にお金を稼ぎ続けてくれるものを増やしていくことがより重要です。毎月数万円を投資用の種銭として貯めて、200万円くらい貯めるごとに中古の戸建てなどの不動産を買ったり、300万円近く貯まるごとに年利で4~5%の高配当が付く銘柄の株式などを買うことで、あるいはサイトであればもっと少額で帰るのでそれに投資して更新し続けることで、家賃収入や配当収入や広告料を積み上げていくことができます。
現役のうちにこれをずっと続けていくと、毎月の上がりがいつか自分の給料に迫るくらいの額になるかもしれません。すると、将来年金支給額が減額されても問題にはなりませんし、現役の間はクビへの強力な備えにもなります。
先程の記事中には「ゆとりある老後生活を送るには毎月36万円必要」とありますが、これだけは根拠が薄いので無視して構いません。総務省や厚労省が公表している統計などを見ると、実際にはそこまで掛かりません。
ただ、毎月の年金収入-平均的な生活費、で見ると確かに不足額は発生するので、その分は稼げるようにしておく必要があります。歳を取ってから働くのはきついですし、貯蓄を取り崩すとなると、それが減ったらだんだん心細くなるはずです。
そうならないためにも、じぶんのためにじぶんの代わりにお金を稼いでくれるものを積み上げること、そして現役のころから常に「収入-支出」の差額や「その支出は何を生んでくれるのか」といったことを意識することが大切です。