副業が注目を集めているのはいい傾向です。今までのように皆が普通に「勤めて生きる」という道が不安定化して厳しくなったという事情によるものなので、悪い現象だと言う人も多くいますが、勤め先に過度に頼り過ぎず、自分で何とかしなければと気づき動き始めたのは良いことです。
勤めて上に行ける道は細い?
幻冬舎 Gold Onlineの「有名大学&一流企業」成功の方程式…令和で通用しない現実」には「 今では信じられないことかもしれませんが、かつてはサラリーマンをしていることが、間違いのない人生戦略だった時代がありました 」とありますが、たぶん実は今でもかなり多くの人が、そう認識しているんじゃないでしょうか。
記事中には、有名大学を出ても一流企業に入れるとは限らず、一流企業には入れたとしても金銭的に幸せになれるとは限らないとありますが、これは確かにその通りで同感ではあるのですが、それでも少ないながらもまだ今のところは何とかそういった道を進めている人たちもいます。その人たちはまだ40代くらいだからです。
40代の人員が大量に整理され始めたのはまだここ1~2年くらいになってからのことなので、そのうちにこれが当たり前のことになっていくことが見えていない人たちが多く居ます。ですので、コメント欄にはかなり批判的なものが多く、「そんなことはない。今でも、そしてこれからも「有名大学&一流企業」は安泰だ」という意見がほとんどを占めていましたが、
長期的に見たら、筆者の見方が正しいように見えます。
40歳以上の人員を早めに整理する動きは、事実としてすでに始まっています(特に昨年多く)。これはコロナ禍とは関係なく、以前から多くの企業が生き残るために実行すると決めていたことです。
有名大学を出れば、20代初め~40歳到達くらいまでは安定を得られるでしょう。学歴の価値が下がったとはいえ、まだ一旦はいい勤め先に入ることができるので、そういう意味では、 「「有名大学&一流企業」は安泰だ !」という反論は間違っていません。
ですが、一方で「40代でポイ」は確実に始まっているので、勤めるだけで人生最後まで安泰で行ける・経済的に豊かになれる確率はあまりないという筆者の見方も間違ってはいません。すぐ近くでそういう光景を目にしたので、かなりの確率でそういう方向に進むと思います。
多くの人は、じぶんたちが頑張って積み上げれば絶対に役に立つと信じさせられていたものが使えないと言われて腹が立ったのかもしれません。でもなかなか通用しなくなったという事実と現実も見ないといけません。記事中には、「いずれは」そうなるという説明がちょっと足りなかったのかもしれませんね。
勤めて安泰は期待できない
勤めて生きる道の将来については、記事中には「 現在は正社員といえども、右肩上がりの昇給など、望むべくもありません。大部分の人が、就く役職もない“飼い殺し”の状態です。 」とありますが、これも大筋でまちがいではありませんね。現在そうなっています。
しかも人間同士だけでなく機械との競争も激しくなっているので、人間には高いお金を払わない、も始まっています。
今まで難資格を取れば高給がある程度保証されていると信じさせられていた人たちの中にも、それに気づいた人たちがいて、単に「勤める」以外の道を模索し始めています。
こういう世の中になったことは悪いことばかりではありません。じぶんはいい大学に進めなかった・いい勤め先に巡り会えなかった…という人にもチャンスがあります。
いい学校に行き、いいお仕事に就いたとしても、これまで触れてきた通り、それもせいぜい20年くらいしか持ちません。「いい教育」や「いいお仕事」に巡り会えなかったとしても、働き始めからの20年を使って投資をすれば、40代になる頃までに副収入をかなり大きくすることができます。
同じころに同年代の元エリートだった人たちは、職を失い給料の低い再就職先しか見つからず途方に暮れているかもしれません。そうした彼らとちがって、それまでずっと低い給料だったとしてもコツコツと投資をしてきた分だけ収入が増えているわけですから、その頃には立場が入れ替わっている可能性があります。
こういう時代だからこそ、「働く」以外に目を向ければ、選択肢やチャンスは大きく広がります。