借金=悪、と考えてしまう人が多いですが、ちゃんとお金を生んでくれるモノや事業のために使うのであれば、問題はないと考えます。
例えば何かビジネスを始めてから、規模を大きくしてさらにお金儲けをしようと思ったら、ふつうは自分の手持ちだけで実行するのは難しく、多くの場合はお金を借りる必要があるはずです。
事業を起こせば、それが生む製品なりサービスが誰かのためになるかもしれないし、人を雇えばその人の暮らしを支える基盤にもなるわけですから、社会には必要なものなので、単純に「借金=悪」ととらえてしまうのは間違いといえます。
ですが全く何もお金を生んでくれないもののために、大きな借金をするのは避けたほうがいいかもしれません。
お金を生んでくれないもののために何十年も借金を背負う
買って持てばいずれはそれが自分の資産になるからと説得されて、つい買ってしまうのが家だったりします。車や時計なんかも、ちょっと違うところがありながらも少し似たようなところもありそうです。
プレジデントオンラインの「「ローンを抱える人は要注意」これからやってくる”冬のボーナス激減”の恐ろしさ」などによると、将来の稼ぎをあてに大きな借金をして買い物をするのは危険とあります。これによると大企業では今年の6月もボーナスが落ちたと言われながらも、平均すると一人当たり90万円近くも支払われたらしく、中小も含めたすべての事業所を平均したボーナスの額18万円と大きな開きがあるようです。
大雑把にいうと約10年くらいの周期で経済危機は過去何度も起きていたりするのですが、ここ7~8年くらいはずっと経済が安定していたこともあり、その期間が少し長すぎたせいか、何を根拠にかは分かりませんが多分ずっとこのままいくと思った人も多かったらしく、マンションや車や時計なども売れ行きは良かったようです。
ですが、コロナ禍による業績の悪化が本格的に反映されるのが今年の冬からという予測がでていますから、毎年ボーナスもあてにして暮らして着たり借金を返したりとしていた人たちは苦しくなりそうな雰囲気があります。
ボーナスが減るもしくは無くなるくらいならまだいいでしょう。勤め先の資金が持たず出されて、職を失う人もこれから出てくるはずです。そうなると、家庭内に働き手が一人いようが二人いようが結局同じことで、「どちらかの稼ぎが減る/途絶えれば、最後はけっきょく返済が滞って倒れる」と住宅ジャーナリストなどが言っているとおりの状況になります。
記事によると危機的な状況に陥ってから慌ててFPのところに駆け込むケースが多いそうですが、結局のところ彼らも支出の削減や銀行に支払いを待ってもらうように交渉するよう提案するくらいしか手の打ちようが無いようですから、
根本的な解決策としては、最初から「勤め先には過度に期待しない=給料やボーナスをあてにし過ぎない、ずっと続くものと考えてはいけない」としっかり認識しておくことくらいしか無いように思えます。
借金を怖がるわりには…
それにしても残念なのは、一銭のお金も生んでくれないようなもののためにわざわざ大きな借金を背負うだけの勇気があるならば、なぜその勇気をもっと別のこと=お金を生んでくれそうなもののために使う、をやらないのかという点です。
例えばタワマンなどを夫婦二人で数千万円もの大きな借金を背負って買うのであれば、同じ額を使って高利回りの物件を買って回すなどすれば、大きく収入を増やすことが可能で、ローンを払い終えた後は純粋にもうけを得続けることができます。住まいはその時に買ってもいいのです。
車にしてもそうです。同じ車を買うのであれば、何かレンタル可能な人気の車種に投資をすれば、レンタル料を得ることができます。少し前まではキャンピングカーなどが流行ってた感じでしょうか?
お金を生んでくれないものの買い物での借金は、いざというときに何の助けにもなってくれません。「払い終えれば資産になりますから」といわれても、その頃には既に資産価値も下がってしまっているでしょう。
借金をしてまで損をしないようにするためには、日頃から色んなものに対して「それがいったいお金をいくら生んでくれるのだろうか?」という視点を持っておくことが重要な気がします。