老後破綻を防ぐにはどうすべきか。老後2,000万円問題をきっかけに多くの人が悩んでいると思います。でもたぶん答えは簡単です。
ふだんから勤め先や給料というものに頼り過ぎず、もし収入アップを図れたとしてもそれに合わせて生活水準を上げるようなことをせず、貯めたお金を単純に貯め続けるのではなく、お金を稼いでくれるものに回せば、老後破綻は防げます。
昔が忘れられない人たち
ダイヤモンドオンラインの「3000万円あっても老後破綻の恐れ、「60歳から5年間」が明暗を分ける」によると、老後破綻を稼ぐカギは、60代前半でいかにしての過ごし方にあるとあります。
60歳になり一旦の定年を迎えて、その後再雇用されると給料は現役の頃の5~7割の水準に下がることがほとんどらしいのですが、そうすると収入減に合わせて大幅に支出を抑え、それでも生活費が足りない部分については何らかの手段で収入を増やす、例えば配偶者にさらに働いてもらって収入を増やすなどの工夫が必要になります。
でも多くの家庭では、それができずに退職金の取り崩しなどで生活費を補い続けて、完全に引退する頃には何の蓄えも無いなんてことがよくあるそうです。一度ぜいたくな暮らしを経験してしまうと中々そうした暮らしを手放せないみたいですね。
冒頭の記事によると、もし夫側が覚悟を決めて支出を削って生活レベルを引き下げる覚悟ができたとして、ついでに妻側から収入アップへの協力を得られないといったことがあるようなのですが、目の前に厳しい現実があったとしても、何十年も続けてきた暮らしを一気に変えることは難しいようです。
働いて得るお金を増やせないのであれば
記事中の相談例の夫婦は、いわゆる典型的なサラリーマン×専業主婦の世帯のようですが、それが悪いなんてことはありません。一人は外で働いてお金を稼ぎ、もう一人は家庭を守る、ということでバランスは取れています。
この夫婦の場合、妻側から「もっと働いて稼いでもらう」に賛同を得られなかったのは、このバランスが崩れてしまうからかもしれません。もともと役割分担でバランスが保たれていたものを後から無理に変えて、妻側に負担をしてもらうからには、夫側もそのぶん「自分も家事負担を支払うから」といった交換条件を提示しないと、フェアじゃないですよね。お互いが同じ分だけ負担を支払い合ってこそ平等と言えます。
ただ、「もっと働いて稼いでもらう」への協力が得られなかったとしても、問題はありません。自力で収入を増やせばよいだけです。
お金を得る手段は働く以外にもあります。
「お金を稼ぐ=働く」という考えにとらわれず、投資をして収入源を増やしてお金を稼げばよいのです。家計の担い手が自分であり続けるかぎりは、各自の役割分担もそのままとなり、代わりに家事は任せられるのですから、特に問題はないはずです。
具体的にどうすればよいかというと、不動産から家賃を得たり、株式を持ち配当を得たりすることで、収入を増やします。
その資金もすでにもらったもしくはこれからもらう予定の退職金とかを原資に充てたり頼るのは良くありません。以前ここでも方法を紹介していますが、できれば遅くとも50代前半から始めておいたほうが良いでしょう。
例えばですが、50歳から投資用の種銭として毎月3万円ずつ貯めれば、仮にもしその時点の貯蓄が完全にゼロだったとしても、
最初の6年で、200万円くらいの中古の戸建てなどの不動産が買えます。最初のひとつを手に入れて、家賃を得られるようになれば、そのあとは3年→2年→4つ目はさらに早く…と加速するので、60歳前半には、月に十数万円以上の家賃収入を得られるようになっているはずです。
それと合わせて、毎月の貯金を続けて家賃も再投資に回すことで、1年半くらい毎に、年利換算で4~5%の高配当が付く銘柄の株式を買い付けることで、毎月平均で1万円くらいの配当収入を得ることができます。これを数回繰り返せば、全ての副収入を合計すれば、二人の毎月の年金収入にちょっと届かないくらいの額にはなるはずです。
「老後資金3,000万円」が手元になくても問題はありません。
給料を頼りにするのは危険
先日も時事通信のニュースに「武田、早期退職を募集 国内部門、30歳以上対象」なんてのもありましたし、早ければ30代で「いい勤め先」といわれるようなところから追い出されてしまうわけです。
勤め先や頼るとか給料をずっともらえると思ったりするのは危険です。
勤め先で給料アップしたからといって、それをあてに生活レベルを上げてしまうようなこともしないほうが無難です。若くてもいつクビになるかは分かりませんし、歳を取ってからはどの記事でも言われているようにほぼ確実に収入は大きく下がります。
どうしてもぜいたくをしたいなら、給料に頼るのではなく、「本当に自分だけのもの」を増やして、そこから上がるお金を使ってやるほうが、もったいない気もしますが、安全ではあります。