世の中で「平均」とされている数字などを見ると、もう○○歳になったのに自分にはこれだけの現金しかない…と将来に不安を感じてしまう人も多いかと思います。でも単純に現金さえあれば老後の備えは万全というようにはならないので、こうした平均額はあまり気にしなくても大丈夫です。
仮にもし現在の年金受給開始年齢である65歳時点で現金がゼロだったとしても、継続してお金を稼いでくれるものを代わりに色々持っていれば、あまり問題はありません。
「平均」は、いわゆる普通レベルとはちょっと異なる
よく色々なサイトで例えば「世帯平均で見ると50歳の時点では現金を○○万円持っており…」といった数字を見ることがあるかと思いますが、ほとんどの場合これらの数字は極端に多く持っている人や少なくしか持っていない人も全て含めてならした平均値なので、いわゆる本当の意味での「平均」からはかけ離れていたりします。よく見かけるものとしては、50歳時点で「1,500万円くらい持っている」という感じでしょうか。
マネープラスの「50代資産1000万円未満は恥ずかしい?年金と個人年金650万で生活できますか?」( https://media.moneyforward.com/articles/5097 )などをみると、同じ50代半ばでも現在の貯蓄額が700万円前後なので到底「平均」におよばないことから将来が不安になって、普通に暮らしていけるかどうかFPに相談を寄せたりしていますが、
昨年6月に騒がれた老後2,000万円問題のせいもあって余計に、あたかも何が何でも引退時までに2,000万円くらいの現金を積み上げておかなければ老後は生きられないと誤解してしまった人も多くいるように感じます。
ですが、そうした「平均」とされる額の現金が用意できなくても、べつに65歳以降生きていけないわけではありません。
毎月の生活費を年金収入で賄えきれない部分は、月平均で4~5万円ちかくになるので、65歳以降は全く働かずに30年近く貯蓄から取り崩して生きていく場合は、合計すると2,000万円必要というだけですから、その毎月の不足分を働く以外の手段で稼ぐことができるのであれば、現金は無くても大丈夫なのです。
先程触れた記事中の夫婦の場合は、年金収入が夫婦合わせて年間300万円あるようなので、「普通に生活していく」分にはもうこれだけで十分にまかなえそうにも見えます。
もしそうでなかったとしても、とりあえず手元には700万円くらいの資金はあるようなので、それを使ってお金を稼いでくれるものを買って、それらから上がる収益で毎月の生活費の不足分を補えばよいだけです。
200万円前後の戸建てなどの不動産を3つくらい持てば家賃収入を毎月10万円近く稼げます。株式だと700万円の資金では、4~5%の配当が付く銘柄に入れても配当収入は月平均でやっと3万円くらいでしょうか、ちょっと足りないかもしれません。
この二人の場合は、収入・貯蓄が多くなので将来が心配という割には余裕のある生活をしたいので毎月の支出を30万円くらいと見込んでいたりと、なんだか置かれている状況がよく分かって無さそうな雰囲気もあるのですが、「持っているお金に働いてもらってお金を稼ぐ」を実行すれば、何とかそうやって生きていくことも可能です。
使って消えるものよりも何度も使えるものを増やすのが大事
ただ、これを代わりに貯蓄の取り崩しで何とかしていこうとすると、さらに歳を取った時に、手持ちの現金がだんだんと少なくなっていくの見て不安や恐怖を感じることになります。
結局のところ現金はいくら持っていたとしても絶対に安心を得ることは出来ないので、投資をしてお金に働いてもらって不足分を補い、手持ちのお金を減らさないほうが、老後対策としては効果的でより安心を得られます。
現金は一度使ったら手元から消えて無くなりますが、資産はずっと持ち主と共に在り続けて助けてくれます。