お金を貯める力に給料の多い/少ないは関係はない、とこれまで何度か触れてきましたが、またその証拠となるデータを見つけましたので今回は。その中身を検証してみたいと思います。
年収が多くても貯められていない人が多い
サンキュ!の「予想を裏切る結果がてんこもり…!年収200~1000万円台の収入と貯蓄の関係」によると、貯蓄と年収の関係を調査してみたところ、各世帯の貯蓄額は給料の多い/少ないとはあまり関係がないことが示されたようです。
パーキンソンの法則のひとつに、人はなにかを手に入れたらそれを全て使ってしまう、というものがあり、多くの人はその法則通りに暮らしているので、たとえ高給を得ていたとしても、毎月ほとんど使い果たしてしまっているという人もめずらしくはありません。外資ではそういう人を多く見かけます。
まずでは先程の記事中の調査結果を見てみますと、世帯年収200~300万円でも、その中のなんと14%もの人たちが、年間150万円以上も貯めていると出たようで、年収がそれほど高くなくても一応これだけ貯めることも可能なようです。ただ、これを見ただけではどういう家族形態なのかは分からないので、本当は実家暮らしで生活費がフルでは掛からない環境で貯めているという人も混じっているのかもしれませんね…。
続いて年収300~500万円の層ですが、この層では3割の人が年間に10~50万円しか貯めることができていないとありますから、少し稼ぎに余裕があるぶん多く使ってしまっているのでしょうか。
年収500~700万円の層を見ると、年間の貯蓄額が完全にバラバラだったそうで、意外にも暮らしの満足度も低く、生活がキツいと感じる人が一番多かったそうですが、もしかしたら都市部に住んでいて、子どもの教育や暮らしぶり全般に関して「ウチも同じようにやらなきゃ!」と人と合わせるために、無理をしていしまっているのかもしれません。
世帯年収700~1,000万円の層はもっと格差があるらしく、多い収入の中からしっかり毎年150万円を貯めている世帯が3割もある一方で、赤字かもしくは50万円くらいまでしか貯められないという世帯も2割以上もいるとのことで、やはり収入が多くなった分、余裕があると感じてついつい使いすぎてしまう傾向があるようです。
こうして見ると、どちらかというとあまり年収が多すぎないほうがちゃんと危機感を持って貯められるということなんでしょうか。何にしても、収入の多い少ないと、お金を貯める力には、あまり関係がないことが分かりました。
記事中にはキャッシュレス決済を駆使してポイント還元や割引を得たりしてさらにしぼっていこうといったアドバイスもありましたが、これについてはムリにやらないほうがいいかもしれません。詳しくは次回にでも触れたいと思いますが、便利なものを使いすぎると、いつの間にかお金が消えて無くなることもあります。
投資をして収入を増やしていく場合は
さてでは、給料ではなく、例えば投資をして少しずつ収入を増やしていった場合は、貯めた額にちがいが出るかを見ていきたいと思いますが、
中には、まだ若くてしかも勤め仕事もしているにもかかわらず、投資から上がってきた家賃や配当を使ってしまっている人もいるので、あくまで「傾向として」ではありますが、投資をして総収入を増やしている場合は、それを再投資し続けることによって、さらに資産を増やしていっているという人は多いように感じます。
ですから給料とは違って、不労所得の場合は、増やした稼ぎに応じてしっかりと貯蓄(というか資産)を増やしている人が多くいます。ただこれは、もともとそうしてさらに増やすことが目的のため、当然そうなるといえば当然ではあります。家賃や配当や広告料などを生んでくれる資産は、「いつか生身の自分の代わって働き続けてお金を稼いでくれるもの」と分かっているので、パーキンソンの法則どおりに、全部使ってしまうという人は、たぶんそれほど多くないと思います。
途中で使うことが絶対ダメとかいうことではなく、すでにリタイアを果たしてしていたり、あるいは若くてもたとえば体を壊してしまったりしたのであれば、上がってくる収益を使っていても全く問題はないのです。
投資から得る上がりは、本来そのためにあるものなのですから。