この厳しい世の中を生きていく手段として、男性も女性もおたがいに給料の高い相手を結婚相手として選ぼう!的なものをよく目にしますが、残念ながらそれだけでは経済的不安を消すことはできません。働き手二人のうちどちらかが職を失ったら生活が成り立たなるのは、働き手が一人しかいない家庭と変わりません。
しかも今は、定期的な昇給やずっと雇い続けてくれる保証のようなものは消えつつあるので、一家に働き手が何人いようが経済的なリスクは減りません。
経済的な不安やリスクをなくすためには、給料以外の収入源=勤め先の事情や景気やそのほかの外的要因の影響をほとんど受けない稼ぎ、を持っておく必要があります。
一家の働き手を増やしても、経済的リスクは無くならない
よく見かけるアドバイスながら、プレジデントオンラインの「「給与の高さじゃない」コロナ禍での結婚条件で急浮上したポイント」(https://president.jp/articles/-/36417)には、コロナ禍のような事態の影響を受けてあるいはそのほかの要因による突然のクビに備えて、できれば正規雇用で働く者同士での結婚を目指そう、とあります。
片働き家庭においてはもし唯一の働き手がクビになった場合には、一家が路頭に迷うということで、それを防ぐためには共働きが有効とみているようです。ですが残念ながら、共働きであったとしても実はそうしたリスクは消えません。
パーキンソンの法則にもあるとおり、多くの家庭では入ってきたお金はそのまま出てしまいます。一家に働き手が何人いようが、いくら給料をもらっていようが、とにかく入ってくる給料の総額をあてにして予算を組んでいるため、たとえ働き手が二人いたとしても、どちらかが職を失えば生活費をまかなえなくなります。片働き家庭のようにすぐに一家の収入がゼロになるわけではないので、「即死」はしませんが、次の月からさっそく金が足りなくなり苦しいのは同じです。
失った給料の額に応じて生活水準を落とすのは容易ではなく、仮にそれができたとしても、生活が苦しい・そのうちそれが成り立たなくなるのは結局変わりません。
先程の記事中には夫婦二人で別の業界に身を置けば、「ふたり同時に年収減」になるリスクをを防げるとありますが、たとえばNEWSポストセブンの「コロナ不況で「社内失業者」大削減か 30代もリストラ対象に」などにもあるとおり、まだ30代であったとしてもすでにクビ候補に挙がることもあることから、40代に入れば効果は無くなります。
以前、専業主婦になると一生で2~3億円分の損になるとかいう本について触れたかたと思いますが、40代に入ってクビを免れてもそのあと加齢とともに給料を減らされることも一般的になってきたので、生涯賃金という考えや用語もあまり意味をなさなくなってきています。
最初から最後までずっと手取り月収は二十数万円くらい、ということであれば、人件費も重すぎないのでずっと雇ってもらえるかもしれませんが、正規雇用となると、雇う側にとっては給料以外の負担も大きいので、何かの理由を付けられて出されてしまう可能性があります。結局のところ、すべて勤め先の都合次第です。
つまり、「働く」の数を増やすだけでは、経済的不安を無くすことはできないのです。
給料以外の収入源を持つ
給料が減ったら/を失ったらどうしよう…の不安をなくすには、働く以外の手段でお金を稼げるようにしておくことが有効です。
たとえば不動産や株式などは、あまり景気や社会情勢に左右されないものを持つことで、持ち主がどういう状態にあるか(病気か、生きているかいないかさえも)に関係なく、お金を稼いでくれます。また、一度使えば無くなってしまう貯金とはちがい、何度でも使うことができます。
「働く」だけにとらわれ続ける限り、お金や生活の不安は消えません。
生身の自分自身とパートナーだけでなく、お金自体にも働いてもらい稼ぐことを意識すれば、一生勤め先の事情や経済の動向に振り回され続ける状況から、いつかは抜け出せます。
投資にクビはありません。いつ始めていつ引退するかは自分次第です。自分のものを積み上げることで、お金の不安を減らしていきましょう。