これまでは、どこかに属してそこを信じて付いていけば安心とされていましたが、コロナ禍の発生を受けて、今はそれらの寄生木に人の面倒を見る余裕はありません。この先はいつ何時そこから出されてしまうか分からないので、ひとつの組織を頼りきって自分の人生を預けてしまったりせずに、他にも自分でお金を稼げる道を確保しておかないといけません。
当然取るべき相応の変化としても見て取れる
現代ビジネスの「「ピンチの時こそ方向転換して稼ぐ」29歳OL・コロナ時代の副業論」などを見ていると、今の働き手の人たち(一部の人たちだとは思うのですが)の意識の変化が見て取れます。昔と違い、彼らは自分の勤め先に自分の人生を預けたりはしないようです。
本来は働く側と雇う側とか一心同体であることが望ましいのかもしれませんが、実際はそうなることは難しく、雇う側が働き手を簡単に捨ててしまうことはよくあります。ですから、働く側のほうも相応に、勤め先を収入源のひとつとして割り切って見る・外にも自分の領域を広げておくという意味で、少しドライながらもポジティブな変化とも言えます。
記事中で取材を受けた女性は、自身の父親がリーマンショック後に失業して一家が経済的に苦労した経験から、勤め先に過度に依存しない生き方を選んだようです。
もともとは新卒で金融機関に入ったものの、副業がOKなIT企業に転職し、週末にモデルとして一日活動し、それ以外にも平日などウーバーの配達員をするなどして、トリプルワークで不測の事態に備えているようです。
コメント欄は全体的にやや厳しめなものが多いようなのですが、それでも今の世の中の動きを見ると、「勤め先」というところを信じすぎてはいけないという点は間違ってはいないように思うのです。
仕事を三つもやれば体にも相当の負荷が掛かるのでかなりキツそうではありますが、何にしても自分なりに考えて将来への備えを進めているところはよいことです。何もせずに、政治が悪い・社会が悪いとただ文句を言うだけでいる人よりは遥かにマシなのは確かです。
さらに攻めて、「働く」に代わるものも持つと安心
彼女自身も「年齢がハードルになる」「働き方を見直すべき」と言っていることから、モデル業についてもUberEatsについても、いつまでもやれるものではないという認識もしっかりと持っているようです。モデルのほうも単価が下がりつつあることや集まり禁止で仕事の件数自体が減りつつあること等もわかってはいるのでしょう。どちらの副業も体が資本というところは同じなので、いずれは他の手段で稼げるようにシフトしないといけません。
一応、株やiDecoやNISAでの運用もしているとはありますが、これらの並びからするとおそらく売却益を得ることのみを目的としているようにも見えるので、これ以外にも、定期的な収入=例えば配当や家賃などを得るという本来の投資もやったほうがよいでしょう。
将来への備えとして「投資」をしていること自体はよいことですが、それが売却益狙いだけになっていると問題が残ります。現金は一度使ってしまったら、手元から消えて無くなってしまうからです。
一度使えば消えて無くなってしまうものは、どれだけ積み上げても安心を得ることはできません。せっかく貯めてもそれが減れば、どうしても不安を感じてしまいます。
お金の不安を減らすには、使えば消えて無くなるものを増やすよりも、お金を稼いでくれるもの自体を増やしていくほうがより効果的です。そういった意味で、不動産や株式やメディア等は、何度使っても消えて無くなることはなく、定期的に稼ぎ続けることができるので、なかなか有望な投資先と言えます。
若い時は多少は体の無理がききますが、それは長くは続けられないので、安定した稼ぎが得られるうちに、その稼ぎを使って貯金をするよりも収入源自体を増やしていくと、将来はあまり経済情勢の影響を受けずに生きていくことができるようになります。
勤め先に依存し過ぎてはいけません。