「無理なく投資をしていこう」を基本的な方針としているので、ここではいつも借金をして投資をすることはおすすめしていないのですが、「働く以外の手段でお金を稼ぐ」を加速させるには、借金も有効な手段です。 借金=悪、なわけではありません。
資産を築くために、高給を得る必要はない
先日経済評論家の方にも紹介されていた本によると、「多くの人は、資産を貯めるには収入(⇒給料の意味)を上げることが必要だと勘違いしています」が、資産を作るために必要なことは、ムダな出費を削り投資用の種銭を作り、的確な投資をするだけでよいとあります(「手取り22万円のサラリーマンは1億円貯められるか? 誰でもすぐにできる方法」)。
まだレビューを読んだまでですが、そうなのです。ここでも何度か触れてきたとおり、高給でなくても資産を築くことは十分に可能です。毎月の給料から一定額、できれば3~6万円くらいを先取りして貯めて投資用の種銭を作るだけで、総収入を増やしていくことは可能です。逆に高給を得ていると、他のことをする余裕が無くて、難しいかもしれません。
著書を紹介されていたこの方の場合は、おそらく自己資金だけでは家賃収入を増やしていくスピードが遅めで扱える物件の規模も小さいものに限られてしまうということで、レバレッジを効かせて収入をもっと増やす方法を取ったのでしょう。
抵当が付けられている限りは本当の意味ではまだ自分のものではない、と書く不動産専門の投資家もいるとおり、権利が外されるまでは他人の影が付いて回るし、頭でっかちな資産額でしかありませんが、購入した物件の利回りが高くてしかも安定的にかせげるのであれば、借金をすること自体には問題はありません。少なくとも、何もお金も生んでくれない自宅のために高額なローンを組むよりは、大いにやる意味があることです。若いうちに始めれば、返済を終えた後は、純資産として扱えます。
著者の井上さんは、中古の不動産以外にも毎月定額の買い付けで、投資信託を買い続けているとのことですが、見どころ解説にもあるように、株式の個別の銘柄を自分で選ぶのは自信がなかったり、他のことに時間を当てる必要があるという人向けには有効なのかもしれません。
プロが選んで組んだものだからといって安全なわけではなく、大きく下げることもよくあるので、できれば個別の銘柄を自分で選んで投資をするほうが、その企業や業界自体だけに限らず広く色んな業界について学んで配当収入を増やせる可能性も広げられるのですが、ファンド=いくつかの銘柄の塊への投資であったとしても、間接的にはそれらに関連する知識はある程度得られる部分もあり、米国株など国外も対象になっているのであれば、長期的には途中で何度か危機が起きても最終的には上がる傾向にはあるので、現金のままで取っておくよりは収益を上げられそうです。
アフィリエイトについては「手を出してしまい…」とありますが、たしかにすぐ稼げるようなものではありませんが、大きな投資は必要なく、ジャンルにもよりますが続ければ時間も労力も無駄にはならず、再構築してまた使うこともできます。
レバレッジを効かせるやり方も一つの方法としてあり
タイトルの「1億円」が目立って、しかも解説であたかも短期でそれだけ蓄財できたかのように書かれてしまっているので、ギャンブル的なものを想像してしまうかもしれませんが、たぶんそうではなく、毎月決められた額の家賃を得る+長期でファンドの売却益を得る、というシンプルなプランです。
借金で物件を購入したり、個別の銘柄ではなくファンドへの投資という部分に抵抗がある人もいるかもしれませんが、この著者が経験した通り、苦しい時に誰も助けてくれない(政府も会社も保険も長期での有効な助けにはなってくれない)ので、自分自身で不測の事態に備える・働けなくなっても長期的にかせげるようにしておくという意味では悪くはありません。
ただ、まだ借金の返済が終わっていない段階で、あるいは値動きでのもうけに頼らなければならない部分がかなりあるにもかかわらず、「自分はもう安心」と見るのは早すぎるので、この手法でやる場合は、しっかりと返済し終えて長期で安定的に稼ぎが得られるようになるまでは、油断をせずに進めていきましょう。