始めるのが早ければ早いほどいいので、まだ理解できないだろうな…とは思いつつも、長男にはわりと小さいときから、物件視察や管理会社さんへの挨拶や書類を出したり資料をもらいに証券の窓口に行ったりライターさんと数分打ち合わせて執筆を頼むとき等に、ときどき同行させていました。色々見せるだけでもだいぶ違ってくるはずです。本業として何をやってお金をかせいでいるかを知ってもらい、どうやったらそれを増やせるかといったことを早いうちに意識してもらいたかったからです。
ただ、お金をかせいでくれるものを増やせとは教える一方で、どういった職に就けばよいかといったことについては今までほとんど話したことがありません。自分のものを増やして管理することさえしっかりやればよいので、それ以外に何をしたいかは本人が決めればよいと思っています。
自分で考えて生きる力
マネープラスの「「お金に強い子」に育てるために家庭で教えたい事」( https://media.moneyforward.com/articles/4698 )によると、いいお学校を出て、いいお仕事に就き、いいお給料をもらい…のサイクルが崩れてしまった今の社会で大事なのは、子どもには自分で考えて生きていける力を持たせることとあります。
そのためには、体が健康であること以外に、ある程度お金についても強くなければならないとされています。
なるべく皆を働かせ続けないと社会保障が持たないということで定年が70歳以上とされつつある一方で、雇う側はそんな雇用負担を背負えるかと反発して45歳定年もしくはもっと早い段階で出してしまうといったことも普通になってきました。
どこも余裕がないので、これ以上は他人の面倒は見られないということなのでしょう。
このように、所謂いいお仕事に就けたとしても現役でいられる期間が短く、しかも働き方改革や同一労働同一賃金により残業代が削られ正規雇用に付いていた各種手当もカットされ、「働く」一本では生きづらくなるのがほぼ確定となりつつある状況下では、今までのように、ただ覚える・言われたとおりにやるだけでは生きていくのが難しくなりそうです。
ひとつひとつ丁寧に細かい指示を出してくれて、その通りに動けばいいお金をくれるようなところはだんだん減っていきます。「これやれるひとに、これだけ払うけど、誰かいる?」という依頼の取り合いになると予想しています。何がお金になりそうか・自分で稼ぐにはどうしたらよいかといったことを考えないといけません。
そのためには、まず子どもには定額の小遣いをあげないところから始めると効果がありそうです。定額のお金をただで与えてしまうと、お金の出どころがどうなっているのかといったことを考えたり、働いてお金を得る苦労を学べません。
何か手伝いをする毎に少額のお金を与えるというほうが、どうやったらお金を得られるのかの基本を体感できます。先程の記事中には、あまり口を出し過ぎるなとありますが、手伝いなどを続けて稼いだお金をどう使うかについては、たしかに黙っておいたほうが良さそうです。使い切って空っぽにならないと学べない苦労もあります。資金不足にならないためにはどうすればよいか、今の稼ぎで足りなかったら働く以外にも自分で商売を始めたり投資についても目を向けるように教えるきっかけにもなります。
普通は「足りなかったら」高校生になるとアルバイトなどもできるようになりますが、できればそこまで大きくなるまで待たずに、そういったことも学ばせておきたいところですね。
お金を生んでくれるものを増やすのは、始めるのが早いほど良く、後の人生に余裕を持つことができます。何歳だから早すぎるということはありません。
どういう「教育」を受けさせるべきか
人工知能などの機械の性能が良くなりすぎた今の社会では、従来型のお勉強がお金になりにくくなったことについてもしっかり教えておいてあげる必要もあります。いつだったか、とある政党の議員が、苦境にある学生を助けないと高卒になってしまう!と大学を出ていない人を低く見ているかのような発言をしていましたが、大学を出たところで、出ていない人との年収差は平均でわずか100万円強にしかなりません。
それでも何十年単位で見ればかなりの差がつくという人もいますが、先程も触れた通り、いいお仕事に就いても現役でいられる期間は20~25年くらいとかなり短くなっているので、それほど大きな差はつきません。
そもそも勤め先での頑張りは自分の資産になるのだろうか、約20年間毎年100万円ずつ多く稼ぐために約1,000万円掛けて大学へ行くのがよいのか、みんなが行くから自分もいくのは正しいのか、雇われなかったらそれでも学力は資産になるのか、働くのはそこそこにしておき同じ額のお金をもっと長く多く稼げることに使い、それを再投資してもっと増やすのがよいのか、といったことを考えさせることはとても重要です。
ただ、雇われるためではなく将来自分で何かをやりたいからということで特定の分野の教育を受けたいと希望しているのであれば、記事中にもある通り、それが独立起業=自分の力で生きるにつながるかもしれないので、可能な限り後押ししてあげると良いと思います。
経済には労働と投資のどちらも必要ですが、今の流れが続く限りは労働の道を突き進むほうがお金の苦労が多く、投資のほうがもっと効率よく稼げるのは確かなので、なるべく早くから投資を始めて慣れさせるもしくは将来自分でビジネスを持つことを考えさせると良いかもしれません。