ここでも何度か、デスクワーク系サラリーマンでなくても大丈夫と触れてきましたが、弱いように見えて、実はかなり堅いということはよくあったりします。
非正規雇用と聞くと、一般的に弱いとか思われていたりしますが、それは業種にもよるようです。技術系のスキルをいくつも持てば、べつに本雇いにこだわらなくても十分に生活できるそうで、これに投資で「副収入を増やす」を足せば、経済的には何の心配もなく生きて行けそうです。
非正規=貧困層、は間違い
SPA!の「月収23万円の40代契約社員、コロナショックでも悲観しないワケ」では、平均年収以下の収入で暮らす技術職の43歳男性の暮らしぶりが、楽観的過ぎる貧困層といった感じで紹介されていますが、よく読むと貧困からはかなり距離がありそうなことが分かります。
工業系専門学校を出ており技術系の資格を複数持っていて業務経験も豊富なため正社員登用の誘いも何度も受けているらしく、実家にちゃんと毎月4万円入れつつも、海外への旅費積立や貯金などを合わせると毎月10万円も貯められているようなので、仕事面でも資金面でも貧困からは遠いように見えます。転職を頻繁に繰り返してきたものの毎回契約満了まではしっかり働いているため、本人は「飽きっぽい性格」とはいうものの、無責任な印象はありません。
過去にもリーマン後の景気が悪い中でも仕事は見つけられたらしく、ユーティリティも高いことから、今回も大丈夫と見ているようですが、こういう人であれば確かに雇い止めが起きている今のような状況下でも仕事と収入はほとんど心配はないのかもしれません。
デスクワークではない仕事はどうも低く見られがちですが、デスクワークこそ簡単に機械に代替されてしまうので、技術職の人よりも実は経済基盤は不安定・脆弱と言えるでしょう。
おそらくこの先使い捨てがわりと当たり前になりそうなホワイトカラーとは違って、この人の場合は、労働一本で生きていくことさえも可能に見えます。
ですが生身の人間である以上は、歳を取ればどうしても体がキツくなることからは、いくら優秀でも逃れられません。
リタイアまで少し我慢して投資してみる
そこで、普通のサラリーマンよりは実はすでに安全なのかもしれませんが、ダメ押しで、43歳という今の年齢から、毎月10万円という貯蓄スピードのままで投資をして副収入を増やしたら、どれくらいで経済的な安全圏(=働かなくても生きられる+望み通り東南アジアでリタイア)まで到達できるかを試算してみたいと思います。
男性は海外へ行くたびに全部使い果たすとあることから現時点での貯金は無いものとし、また、あまりたくさんは働きたくないとあることから給料はずっと毎月手取り23万円のまま、夢である本格的なリタイアまでは旅行もガマンすると仮定します。
たぶん、10年くらいでリタイアできるでしょう。
まず、毎月10万円を1年8か月間貯め、どこかに状態のいい中古の戸建てなどの不動産を買います。それに最低限のリフォームし賃貸に出して入居者が付けば、手取りで毎月3万円を稼げます。
その後、毎月の貯金も続けて上がってくる家賃も貯め続けます。すると今度は1年半くらい掛けることで、2つめの不動産を持つことができます。そしてこれも1つめの不動産と同じように賃貸に出します。これに入居者が付いたら、また手取りで毎月3万円以上を稼げます。
このあとも、毎月の貯金と上がってくる家賃の再投資は続けます。毎月合計16万円ですから、今度はわずか1年強で3つめの不動産を持つことができます。そしてこれも1つめ・2つめの不動産と同じように賃貸市場に出します。入居者が付けば、また手取りで毎月3万円以上は得られます。
わずか約4年で3つの不動産から家賃を得られるようになりましたが、目標は短期滞在ではなく本格的なリタイアですから、まだしばらくはさらに副収入を増やす必要があります。
引き続き毎月の貯金+3件からの家賃を全力で再投資に回します。10か月もすれば、4つ目の不動産を買うことができるので、またこれも賃貸に出します。入居者が付くことで、手取り収入が3万円以上増えるので、さらに少なくとももう1つくらいは不動産を増やすことにします。8~9か月もすれば5つめの不動産を買えるので、これを貸し出せば、また手取り収入を毎月3間年以上増やすことができます。
開始から約6年半掛けて、そろそろ50歳ですから少しは現金に近いものも持っておくという意味で、ここからは高配当が付く株式への投資に切り替えます。
毎月の貯金を続け、家賃全てを9~12か月程度貯め続けることによって、240~300万円ほどの資金になるので、これを年間4~5%の配当が付く銘柄の買い付けに使います。そうすることによって、毎月平均で配当が1万円入ります。これをさらに3年続ければ、配当収入は毎月3万円分は増やせます。
このように、ここまで合計約10年掛けることで、毎月約20万円の副収入を稼げるようになりましたが、この地点まで到達すると、元々の毎月の手取り収入は23万円ですから、もうほとんど労働には頼らなくても生きていくことは可能になります。
機械の器用さが今後10年でどれだけ進歩するかはまだ未知数ですが、複数持っている技術のうちどれかはまだ需要があるかもしれません。少なくともデスクワーク系の人よりはか使うする場が残っている可能性があります。なので、時々働けば毎月の収支はプラスにできるので、そのあともさらにダメ押しで副収入を増やしていくことだってできます。
同い年の知り合いの中に、もし技術職をデスクワークより低く見たり、大学に行かなかった人を差別するような人たちがいたとしたら、その人たちはもうその頃は先にどこかでクビになり再就職先もなく、生活に困窮しているかもしれません。
こうして見ると、ロボット導入でまだ採算がとりにくい技術系のお仕事であれば、長期にわたってスキルを使うことができそうで、並行して投資をして副収入を増やしていくことで、さらに経済的な基盤を強化することができます。
学歴に固執したり貯金に固執することが、如何に無意味なことか参考になれば幸いです。