何が安全で何がリスキーかは、投資対象によります。「不動産」「株式」「デジタル」「現物」だから良い悪いと一概には言えません。
また、投資はそもそも値動きで儲ける「投機」とはちがって、定期的に収入を得るためにやるものなので、日々の価値の上げ下げを気にするよりも、稼ぎが変わるか・変わらないかを見ておくほうが大事です。
価格が落ちたら落ちたで怖がらず、毎回それを安く買って増やせるチャンスと見るようにしています。もともと借金をして投資をしているわけではないので、好況が続く間は基本的には資金を貯めながら次の不況までじっと我慢をするしかなく、こういうときにしか大きく買うことができないのです。
払わないと権利は主張できない
不動産についてはコロナ禍が続く間は、世界的に工場や店舗用の不動産の家賃を払わない動きが出ると見る人もいますが、これについてはそれほど心配はないと見ています
4月半ばに外食産業に携わる人たちが業界の声として、コロナ禍のせいでお客が来ない+休業要請でお店を使えないため、不動産オーナーが家賃減額に応じるよう法整備してほしいと会見を開きましたが、実現は難しいのではないでしょうか。不動産を持つオーナーの中には、事業をする人と同じように借金をして物件を所有している人もいます。飲食店を経営する人たちは大変だとは思いますが、賃料が支払われなければつぶれてしまうので、苦しいのはオーナーも同じです。
こういう事態が発生するたびに家賃減額や免除を要求すると、今後はそういう店を出すために物件を貸してくれるところも無くなってしまうのではないでしょうか。あったとしても、おそらく賃料も高くなり保証料や多めに取られることになります。
「今は払えないから安くしてください、でも売り上げが戻ったら上乗せで払います」と減額要求と増額後払いとをセットで、権利を主張する代わりに必ず義務も果たすという姿勢を見せていれば、まだ応援してもらえたのかもしれませんね。
居住用の不動産についても、家賃の減額交渉は難しいでしょう。店舗とちがって、居住スペースはコロナ禍でもそのまま使うことができるので、住める以上は払わないわけにはいきません。
どの部屋も保証会社を入れているのでまだ知らせを受けてはいませんが、仮にもし払えなくなった人が出たとしたら、減額はしないけど猶予はしてあげてもいいかなと思っています。少々甘いかもしれませんが、最終的に払ってくれるのであれば問題ありません。
紙切れにならないところを持てばいい
株式についても、こういう経済危機が起こるから怖いという人たちもいますが、コロナ禍のような事態が起きたからといって、価値を下げていない企業もあります。
国全体(+世界の)の経済の状態が良くなくても、モノを動かす人たちは必要だし、健康を維持するためには医療は常に必要で、通信などの生活インフラも常に必要です。日用品を作る人たちも売る人たちも必要です。
そうした事業に携わる企業は、こういう状況下でもほとんど価値は下げていません。需要が増えて、逆に少し上がっているところもあります。利益が出れば配当も出し続けてくれます。
景気と連動している製造業や商社などの銘柄はかなり下落してしまいましたが、競争力もあり内部留保も十分にあるところであれば、今回も生き残れるはずですから、今のうちに家賃や配当などを貯めてとっておき、収束後しばらくしてから買い増ししようかと思っています。しばらくしてからというのは、数年にわたって停滞すると予測が出ていて、まだ下げるかもしれないので、もう少し待ったほうが良さそうです。
見えなくても堅いものもある
デジタルなものは資産として見れないという人もいます。サイトなどは手に取ることはできませんが、ネット上には確かに資産として存在していて、こういう状況下でも需要があるモノやサービスを紹介する内容であれば見てもらえます。今も持ち続けているものは景気が良くても悪くても需要は大体一定で、広告料を稼ぎ続けてくれてはいます。
この先どうなるかはわからないし、寿命も短めだからということで、もし売りに出したら5~10万円にもならないかもしれませんが、それならば持ち続けていればいいだけです。稼ぎを生み続けてくれていているのであれば、お金をもらい続けるほうがいいのでべつに売る必要もありません。
こういう時だからこそお金が必要になって、安く売られる案件も出てくるかもしれません。
有事の金は?
銀とプラチナがあまりパッとしない(この二つは産業需要に左右されるところが大きいのか)中で、「有事の金」といわれるだけあってコロナ禍の発生以降は金の価格が上昇しつづけて、1グラム当たり6,500円近くに付けています。今保有している分が含み益となっているのは嬉しいことですが、これ自体を持ち続けても、何も生んではくれないところが難点です。
しばらく不動産・株式・メディアばかりに目を向けて放って置きすぎたので、そろそろ高値で買い続けないために積み立てを一旦ストップしないといけません。もしも資金難に陥った時のための緊急の資金として取っておいてはいますが、このまま何も起きなければ役立たずです。2010年に1グラム当たり3,000円につけて以来ずっと少しづつ上がり続けて入るので、現金よりも価値の落ちにくい貯金程度に考えておくのが良いかもしれません。
このように、長期で投資をする場合は、いまは全体的に価値が下がっていてもそれらの稼ぎが変わらなければそのまま持っていても問題ありません。価値もいずれは回復するはずですから、どのタイプの資産も今の相場は安く買える大きなチャンスと見ておけばよいかと思います。