厳しい世の中を若い夫婦が二人で生きていくためにはどうしたらよいか。ここではいつも種銭を貯めて投資をして収入を増やし続けていくことをおすすめしていますが、今回は、結婚したばかり・手持ちゼロ・昇給の可能性ゼロの前提で、どこまで行けそうかをシミュレーションしてみたいと思います。
給料が増えないのもわりと普通
一昔前と比べると、働き手の給料は少し下がってしまい、平均年収を見ると何とか400万円台を保っているものの、実際には若い頃に年収300万円近くで勤め始めて、その後も昇給がほとんどないという人は多くいます。ですから中央値はもっと引くと見たほうが良さそうです。財界の偉い人が「毎年の自動的な昇給システムは維持できない」と言っていたとおりの状況になりつつありますが、そんな中でも、
with onlineの「【共働き夫婦のリアルなお財布事情】2人で手取り39万。どう振り分ける?」(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200412-00010011-withonline-life)を見ると、まだ終身雇用を堅く信じているのか、夫婦二人で何とか頑張ってあこがれのマイホームを手に入れようとしている人もいるようです。
何とか頑張って自宅を購入できたとしても、自分で使ってしまえばお金を一銭も生んではくれないし、今回のコロナ禍のような事態が起きると、ローンが支払えなくなる可能性もあります。ローン支払い関連の記事を見ると、「ウチも支払いに困っている」といったものや「無理をして組んだ若い人が多い」といったものを多く目にします。
先程の記事中の夫婦は、現在30歳(夫)と27歳(妻)で手取り月収が22万円(夫)+17万円(妻)で計39万円、それに対して毎月の支出は計27万円に抑えているので、毎月12万円貯金できる計算になります。自宅購入を目指しているところは少々残念ではあるものの、あまり贅沢をせず支出を絞りかなり貯金できているところは感心です。
自宅購入ではなく、全額投資に回すとどうなるか
では、そのまま賃貸で住み続け毎月堅くやりくりし続ける+投資からの上がりには絶対手を付けないで再投資だけに使うという前提で、いつものとおりこの貯蓄を代わりに投資に向けたらどうなるかを見ていきたいと思いますが、
毎月の貯金が12万円と多く、資金が貯まるスピードが速いので、始めてから1年半掛からずに200万円貯まり、最初となる中古の戸建てなどの不動産を買うことができます。なるべく状態のいいものを買い、それに最小限のリフォームを施して、入居者が付いたら毎月3万円以上の手取り収入が得られます。
その後も二人で毎月12万円の貯金を続け、この家賃収入3万円も合わせると、今度は1年2か月くらいで同じような不動産を買うことができます。そしてまたこれを同じように賃貸市場に出して入居者が付くと、また手取り収入を3万円以上増やせます。この時点でそれぞれ33歳・30歳になる頃でしょうか。
子どもができたときに備え、もうひとつくらい不動産を増やすことを目指すとします。毎月の12万円の貯金とふたつの不動産の家賃を合わせると、今度は1年掛からずに3つめの不動産を買うことができます。同じようにまたこれも賃貸市場に出せば、さらに手取り月収を3万円以上増やせます。3つ合わせれば毎月10万円位でしょうか。
この頃それぞれ34歳・31歳ですが、もし子どもが産まれたとしたら、夫婦で働いて得られる手取り収入には影響が出ますが心配は要りません。
仮にもし妻の収入が数年間半分の8.5万円くらいにまで落ちたとしても、二人には家賃収入があります。一家全体として、結婚したばかりの頃と同じ毎月12万円の貯金のペース自体は保てます。
その後も毎月12万円の「貯金」(家賃の上がりも混ざっていますが)を続けることで、1年半くらいでダメ押しで4つめの不動産を買うことができます。今までの3つとおなじようにこれも賃貸に出せば、また手取り月収を3万円以上増やせます。
この頃はそれぞれ36歳・33歳くらいでしょうから、少しくらいは数営業日で換金できる現金に近いものも持っておいたほうがいいかもしれません。一旦、不動産への投資はここまでとして、代わりに高配当が付く株式への投資に切り替えるとします。
夫婦の働いて得る収入は一旦落ちたものの、不動産を増やしたことで貯金は毎月15万円にまで増やせるので、1年半強で240~300万円くらいの資金は貯められます。これを年間で4~5%の配当が付く銘柄への投資に回した場合、毎月平均で1万円以上の配当収入を得られます。
子どものこともあるので、さらに株式への投資を進めていき、毎月の貯金と家賃収入と配当収入の全てを投資に回すとします。2年間で約500万円を投資できればさらに毎月2万円弱の配当収入を得られるはずです。
ここまででそれぞれ40歳と37歳。もし子どもがいれば6歳くらいでしょうか。 今は45歳定年・40歳以上の人員大量整理といったことも普通になってきているため、夫のほうは今後も職場で使い続けてもらえるかは微妙で、妻のほうもフルタイムで職場復帰していたとしても、あと何年そこに居られるかは分かりません。
ですが、そのころには二人には副収入として、毎月16~17万円位の稼ぎがあります。これは新婚の頃の妻の稼ぎに匹敵するくらいの額なので、どちらかがクビになっても生活は維持できます。また、そうなる前に、さらに投資を続けることで、副収入を増やし続けることはできるので、何とかあと5年くらいは続けることで、夫の結婚当時の月収を上回るくらい稼げるようになるかもしれません。そこまでいけば、今いる職場を追われても、合わないところに無理して再就職する必要もありません。多少稼ぎが減ったとしても長く続けられそうなところに勤めるといったことが可能になります。
その先のことは分かりませんが、すくなくとも現役でいる間はクビにおびえながら生きる必要は無くなります。
最初にお金を生まないものに資金を使い果たしてしまったら、こうはいきません。
せっかく毎月大きな額を貯められるのであれば、そのお金に働いてもらうことを意識しておくと、このように、経済的に厳しい環境下でも子供を持ちつつ少しでも安心して生きていける道も開けてきます。