Cosmos(コスモス)は、異なるブロックチェーンをつなぐ技術を実現する分散型ネットワークの1つです。暗号資産としてATOMトークンを使用していますが、業界の中でも期待されている通貨の1つとして知られています。ATOMトークンの特徴やメリット、将来性や注意すべきポイントはどのようなものがあるでしょうか。詳しく説明します。
Cosmos(コスモス)の成り立ちと主な特徴
Cosmos(コスモス)は、異なるブロックチェーンの間でトークンやデータのやりとりができる分散型ネットワークとしての役割を担っています。ブロックチェーンとは、ノードと呼ばれるブロックを生成し、チェーンのように連結することでブロックの保管を可能にしたデータベースで、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産は、ブロックチェーンの一種です。ほとんどの暗号資産には互換性がなく、イーサリウムをビットコインのアドレスに直接送金できません。他の暗号資産に交換したい場合は、取引所を介する必要がありました。Cosmos(コスモス)は、ネットワーク上の異なるブロックチェーンをつなぐことができるため、互換性の問題が解消されます。
異なるブロックチェーン同士をつなぐものをCosmos(コスモス)ハブと呼び、プルーフ・オブ・ステークの頭文字を取ったPoS方式を採用しています。Cosmos(コスモス)ハブを活用したブロックチェーンで用いられているトークンがATOM(アトム)で、取引所ではCosmos(ATOM)と表記されていることが多いです。Cosmos(コスモス)ネットワークは、2019年2月にメインネットを公開後、3月から運用を開始し、ATOMトークンを取引所で購入できるようになりました。トークンとは、ブロックチェーンを利用して発行主が取引先に交付する証券のような「データ」のことを指しており、別名でコインと呼ばれることもあります。
Cosmos(コスモス)は、Tendermint(テンダーミント) Coreと呼ばれるソフトウェア技術を採用していますが、拡張性の高さが特徴的で、ブロックチェーンだけでなく、分散型アプリケーションゲームなどの開発が容易に行えます。JavaやC++などのプログラミング言語が使用できるため、短時間で開発できるのがメリットの1つです。Cosmos(コスモス)が採用しているTendermint(テンダーミント) Coreシステムは、アルトコイン取引所の1つであるBinanceの独自ブロックチェーン「Binance Chain」にも利用されています。アルトコインとは、Alternative Coinの略語であり、ビットコインを除いた暗号資産の総称です。
Tendermint(テンダーミント) Coreシステムは、コインの保有量に応じてマイニングの報酬権利が得られる仕組みで、取引処理速度の速さが特徴の1つです。ビットコインの場合は、平均して約10分程度かかりますが、Tendermint(テンダーミント) Coreシステムを利用したCosmos(コスモス)は、1秒から3秒の間に処理が完了します。取引量に換算すると、1秒当たり数千単位の取引が可能で、多くのブロックチェーンが抱えていた大量の取引時に生じていた遅延発生問題の解決にも役立っています。
Cosmos(コスモス)の利用方法と注意点
2019年時点で、Binance(バイナンス)、Kraken(クラーケン)、Poloniex(ポロ二エックス)などの取引所で活発なトレードが行われています。Cosmos(コスモス)ネットワークを利用するためにはATOMが必要で、「投票権の管理」を役割として担っています。預け入れたATOMの金額に応じて投票権が付与され、承認作業に成功した際にATOMとPHOTONの2種類のトークンが得られる仕組みです。Cosmos(コスモス)ネットワークを利用した際に支払う手数料として、PHOTONが使われます。
ATOMを使って資産運用を行うためには、暗号資産を保有するだけではなく、delegate(デリゲート)と呼ばれるATOMを預ける行為を行うことが必要です。ATOMのウォレットを作成した後、取引所を経由してATOMを購入し、デリゲート委託先を選択すると年利報酬を受け取ることができます。中長期的にATOMを保有することで年利報酬を受け取れますが、ATOM自体にも値動きがあることを考慮することが大切です。
Cosmos(コスモス)は、取引情報を円滑に処理するコンセンサスアルゴリズムとしてPoS方式を採用しており、PoW方式で問題視されている不正行為に強いのが特徴の1つです。トランザクション処理で必要とするエネルギー資源が少なく済むメリットがありますが、一方で流動性が低くなることがあります。悪意のある大規模な組織が、莫大な資金を投じることでCosmos(コスモス)ネットワークを攻撃できてしまいます。複数のブロックチェーンをつなげられるシステムにより、ある1つのブロックチェーンが攻撃を受けると、他のブロックチェーンを巻き込んでしまうリスクがあります。サイバー攻撃に対し、どれだけセキュリティを高められるかが期待されます。
Cosmos(コスモス)のブロックチェーン技術で暗号資産のATOMを増やそう
Cosmos(コスモス)が採用しているブロックチェーン技術は、汎用性と拡張性の高さから暗号資産を取扱う投資家の期待が高まっています。Tendermint(テンダーミント)によって実装されたCosmos(コスモス)ハブによって、多くのブロックチェーンを相互接続できる利点を生かし、ATOMトークンを投資対象の1つとして考えてみてはいかがでしょうか。