雇われ仕事であろうが商売であろうが、景気に連動している何か一つのものに依存し過ぎている状態は、良くありません。
今回のコロナ禍のような事態が起きると、雇われ仕事をして生きている場合は勤め先がもたなければ失業してしまい、自分でビジネスを経営している場合でも客足が遠いてつぶれてしまう可能性があります。どちらにしても、生活していけるかどうかは景気次第のところが大きいので、収入源ひとつで生きていくのはかなり危険です。
雇われている人も経営者も大変
最近、コロナ禍のせいで解雇されている人たちについての報道も多くなりました。つい先日もタクシー会社の人たちが一気に600人近くも解雇されたりしていました。
ですが、生活のための唯一の収入源を失って路頭に迷うことになったのは、雇われて働いている人たちだけではありません。ダイヤモンドオンラインの「コロナで収入激減!絶望の淵に突き落とされる「貯金ゼロ」の人々」(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200406-00233797-diamond-soci&p=1)によると、ビジネスの経営者たちも倒産するかもしれないというに不安を抱えているだけでなく自分たち自身も生活してきていけるか分からない状態という人は多いようです。
「今まで貯金など意識をしない暮らし方をし、」とあることから、かなり自業自得臭いのですが、生活に困っているという点では雇われる人たちと同じです。
ただ、雇われ仕事とちがって自分で事業をコントロールできる範囲が広く、儲けはダイレクトで自分のものになり、雇われ仕事で得られる金額よりも多いので、普段の生活も派手になりがちです。出費が多い分、こういう時は、サラリーマンより大変かもしれません。
こういった事態に備えてなぜ貯めておかないのかとも思ったりするのですが、商売の世界では、日々お金が入ってきてもそれは仕入れや人件費などの支払いにすぐ消えてしまい、いざというときのためにプールしているお金がほとんどないというギリギリの状態で経営しているビジネスはわりと普通にあるようです。意外と個人のほうが、まだお金を貯めているのかもしれませんね。
今のところの傾向としてですが、雇い止めや倒産の危機にあるのは、主にお客さんとその場でやり取りしなければならないものがほとんどです。飲食や接客や観光などは、客足が止まると1~2か月でつぶれてしまいます。他の業種でも景気に連動している産業であればこのように世の中全体の動きが鈍ってしまうと、そのうち倒産するところも出てきそうです。
先程の記事中の生活苦に陥っているクラブ経営者は、まさに景気に連動したビジネスをしている人ですが、今の状況下で雇われて働いている人たちと同じように苦しんでいるところを見ると、よほどいつでも需要があって景気の動向にあまり左右されない業種でなければ、起業独立は雇われて働くのと脆さはほとんど変わらないようにも見えます。
収入源をほかにも確保する
雇われて働くにしても、自分でビジネスをやるにしても、基本的には自分自身が積極的に動かなければ稼ぎにくいという点は同じです。他人のものになるか自分のものになるかという違いはあっても、時間を取られてしまうという点は同じです。クビ・倒産で収入ゼロになるのも同じです。
そうすると、こういう状況下では、「働く」「起業する」と比べると、投資のほうが堅いように見えます。景気がどのような状態にあっても人はどこかに住まなければならないし、人が生きるために必要なモノやサービスを供給している企業は生き続けるし、巣ごもりに必要なモノやサービスの宣伝はされ続けます。これらから上がってくる家賃や配当や広告料などのかせぎは、こういう事態でもほとんど変わりません。事前に決められた額/料率しか入ってこないため、景気が良くなったからといって爆発的に儲けられるものではありませんが、こういう状況下では堅い収入源として機能するので非常にありがたいものです。
だからといって一つの案件に全額を投資するのは危険です。物件や銘柄やサイトもある程度の数を持つほうが、リスクを減らせます。一つしか持ってないのであれば、仕事一本/ビジネス一本で生きているのと同じことになってしまいます。
働くにしても起業するにしても、一つの収入減に過度に依存してしまうと景気次第で生活できなくなってしまうリスクがあります。ですから、合わせて投資などで他にも定期的にお金をかせげる収入源を確保しておくと、いざというときに貯蓄以上に大きな助けになってくれるかもしれません。