デジタル通貨

暗号資産への投資とドルコスト平均法

ドルコスト平均法は積立投資で用いられる投資手段

株式などの投資を目的とした商品の場合は、常に価格が変動しています。市場価格が変動する中において、投資経験が乏しい人が株式の買い時や売り時を把握することは、難しいと言えます。そのため、投資の際に似た種類の銘柄を一定額のみ買い付けていく作業を毎月繰り返し、価格の変動によるリスクを抑える「積立投資」を行います。市場価格が低い場合は高い金額で買い付け、高い場合には低い金額で買い付ける作業を繰り返すことで、平均的な購入単価を抑えることが可能です。市場価格の共通通貨となっているドルを用いることから、「ドルコスト平均法」と呼ばれています。

例えば、1万円の株式を購入し、その方法を毎月買い付けを行う方法で投資を繰り返すこととします。ドルコスト平均法には、株式数を定期購入する方法、株式金額を決めて購入する方法の2つがあります。仮に1口当たり100円を基準となると、100口分あることになります。株式数を決めて購入する場合、1口当たりの基準価格に応じて、一定の口数分購入するため、常に100口分を購入します。90円に下がったなら、9,000円となり、120円に上がった場合は、12,000円分購入することとなります。この作業を繰り返し、1口当たりの平均が1,000円になるようにします。

これに対して、株式金額である10,000円を定期購入する方法では、投資できる口数に関係なく一定額を購入していきます。80円に下がった場合は125口分を購入し、125円に上がった場合は80口分を購入することになります。購入平均を10,000円に近づけるようにするように、毎月の購入作業を繰り返します。

ドルコスト平均法は、より多くの利益を出す方法ではなく、あくまでも常に購入単価を一定に抑えるための投資方法です。主に投資信託や株式累積投資、純金積立や外貨MMFなどで用いられます。一般的な投資では、投資商品の価格が右肩上がりであれば利益が増え、右肩下がりに下がれば損失が増えます。成長が見込める銘柄を選んで投資することで利益が上がることを前提としている投資であるため、少額でなおかつ長期投資に向いている方法と言えます。

暗号資産の投資にドルコスト平均法を適用した場合

ドルコスト平均法は、主に株式や純金積立などに用いられる積立投資の一種ですが、決済手段として用いられる暗号資産の場合を考えてみます。暗号資産は、通貨としての性質上、貯蓄をメインとする金融商品であると同時に、他の投資商品と比較しても特に価格変動が変動しやすい性質を持っています。暗号資産の資産価値が暴落すると、商品などを購入するための単価が上がるなど、通貨としての価値を失い兼ねないため、結果として長期的な運用が求められます。

例えば、1単位あたり100円の暗号資産を、5,000円分購入したとします。ドルコスト平均法の場合、平均購入単位に関係なく、一定金額を購入する方法を採用します。単位価格は常に変動することもあり、基本的には最初に購入した金額に戻ることはほぼないと言ってもいいでしょう。購入して1ヶ月後に、単位あたり90円まで下がった時は、56単位分購入でき、暗号資産の価値が上がったことを意味します。逆に単位あたり110円まで上がった場合、46単位まで購入できるため、結果として、暗号資産の価値が下がったことを意味します。

暗号資産は利用者が多ければ多いほど、資産価値が高まる性質を持っています。つまり、一般の買い物における支払手段として多くの店舗が利用している場合は、より多くのユーザーに利用してもらうため、単価を下げる必要があるからです。一方で、セキュリティなどの不備により、利用するユーザーが減っている場合は、単価が上がってしまう、資産価値が低くなってしまいます。ただ、暗号資産は平均単価が上がる傾向にあるため、ドルコスト平均法といったような長期的な投資方法が、ベストな選択肢と言えます。

逆に、利益が足りないなど、資金上の理由で投資額を変動させてしまうことは大きなリスクとなります。高単価の際により多くのものを購入する、低単価の際により少ないものを購入するといったことになってしまい、最終的には平均単価そのものが上がってしまうことになりかねないからです。資金に影響されることなく、一定額での投資を長期間続けることが、利益を出すためにもプラスとなります。

暗号資産の性質を見極めた投資方法を行う

ビットコインを始めとした暗号資産は、決済手段として広く認知されています。そのため、他の投資商品と異なり、なるべく損失を出さない投資方法が求められます。さらに利益を出しすぎると単位あたりの平均価格が上昇する傾向にあるため、ドルコスト平均法など、長期的な投資手段に向いている方法を取ることをおすすめします。

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