先日、「老後資金は500万円で十分という論文もあるらしく」でも触れた通り、今の高齢者は年金収入で生活費を賄えない部分は平均すると毎月1万円強にすぎないため、少しアルバイトに出る程度で何とかカバーできているそうですが(生活が苦しそうな人も多くいるので、あくまで「平均」です)、いまの現役世代は40歳でも普通にクビになりえます。
出された後にその歳で雇ってくれる企業も多くはありません。
運良く何とか定年まで勤め上げられたとしても年金受給開始までは何とか働かなければなりませんが、年を取ると選べる職種も限られてしまい、給料も安く、体にもキツくなります。
金銭的にそこそこ幸せに生きているためには、その歳になる前にせめて外に出て働かなければならない分くらいは投資でお金を稼げるようにしておく必要があります。
70歳定年は形だけ?
このままいけば昨年閣議決定された「70歳定年法」が通り、来年から企業に社員を65⇒70歳まで雇用するよう努力義務が課せられますが、おそらくこの法律自体はそれほど大きな意味を持たないものになりそうです。
シニア層自身も社会保障制度の支え手に含めることを狙っていたようですが、企業の側からすればパフォーマンスの落ちた人員を抱え続けることは負担にしかなりません。
ですから昨年くらいから大企業を中心に40代以上の社員の大量整理が始まっています。
それにしても、この法律を作るにあたって、もともと企業にシニア層の面倒を見ることを押し付けるのは無理があるとの認識はすこしくらいはあったのか、新しい法案では、他企業への再就職支援をしたりフリーランス選択者へ業務委託することによって企業でそのまま雇用し続けなくても良いという形になっているようです(「「70歳定年延長」で働き方はどう変わる?」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200322-00010000-tokyomxv-soci))。
他社への押し付けや個人事業の推し進めでもよいということは、給付はケズるけど何とか働ける場所は確保するように言っておいてあげたよ的なパフォーマンスに見えなくもありません…。
40代大量リストラを切り抜けたとしても
70歳までどうするかどころではなく、現役でいる間にも大きな危機は何度か訪れます。
いまや珍しものになりつつあるので、仮にですが何とか定年まで働き続けることができる企業があるとします。
50代に入ると役職についていた人であればそれが解かれて収入が大幅に減り、60歳で定年後に再雇用制度で働くにしてもさらにまたそこで収入が半分近くにまで下がります。
歳を取った分だけ多くお金をもらえたのは昔の話です。技術が進むにつれて、人間は安く買われます。
住宅や車のローンの支払いや教育費などはそれまでに何とかしておく必要があります。定年後も支払い続ける前提で組まれているローンは危険すぎます。
生涯賃金〇億円とかいう計算も、もうそろそろ止めた方がいいのかもしれません。60歳まで雇い続けてくれる企業も消える傾向にあるので、勤続年数をもとにした予測やこの言葉にはほとんど意味はありません。
お金に働いてもらう
皆いつかは通る道なのですが、企業も政府も結局は誰も年老いた人の面倒を見たくないようです。いまの高齢者は一昔前の人たちと比べると肉体的にも精神的にも若いと言われてはいますが、見た目はそうでも年齢は正直なところもあります。
本当に高齢の方からのものなのかは分かりませんが関連記事のコメント欄にもよく、歳を取ると体が言うことをきかなくなるとあります。働けば何とかなるというのは本当はそんなに簡単な道ではないと思った方が良さそうです。
このように、歳を取ってから働き続けて何とかするというのは現実的には厳しく、老後どころか現役でいる間も一体いつまで働けるのかはわからないので、代わりに家賃や配当などを得て生活費をまかなうといった準備をしておくと少しでも安心につながります。
貯金は一度取り崩して使えば消えて不安になりますが、買った収入源は繰り返し使うことができます。
最後まで働き苦しみ続けるよりは、 こういったものを持って備えておくことほうが、長くそこそこ幸せにやっていけるかと思います