まだこれから20~30年くらい現役として活躍しなければならない世代は「働けないリスク」へ備えて保険に入ると体が動けなくなった時のカバーとして頼れそうですが、保険を掛けるだけでは、もう一つの大きな「働けないリスク」には対処できないので、投資などで収入をカバーできる体制を作っておくことが必要です。
働けないリスクは2種類ある
病気やけがなどにより長期間働けなくなった場合に備えて掛ける就業不能保険というものがあるようですが、実際にそうなった際には例えば毎月10万円~50万円(5万円単位で設定できる)といった形で定期的に大きな額が支払われるので、かなり頼りにはなりそうです。
ライフネット生命の就業不能保険ホームページ(https://www.lifenet-seimei.co.jp/product/disability/)を見ると、病気やけがなどで就業不能となった場合は月額約15.3万円くらいの障害年金が支給されることになるようですが、それでも毎月約10~20万円(単身~家族)くらいの稼ぎが不足することになります。
それをカバーすべく例えば毎月10万円のプランを組むとすると、月額保険料も2,000円前後とそれほど高くはないので働けない状態になってしまった場合に備えてこういったものがあれば安心です。
ですが、これはあくまで病気やケガなどに対するリスクにしか機能しません。
働けないリスクにはもう1種類あります。
昨年くらいから、40歳以上大量解雇や45歳定年といったことが普通に起こり始めました。それまでの経歴にもよりますが、大体の場合は働く意欲があってしかもそれなりの経験や能力があったとしても、企業側は40歳以上の人を中々採用したがりません。
働きたくても働けない状態ですが、体は動くので、先程の就業不能保険は使えません。
こういった状況の備えて一家の働き手は一人ではなく二人にしておこうと勧める人は多くいますが、一人がクビになっても失業手当が出ることを見越してそう提案しているのでしょうが、多くの場合、そもそも一人では生活費すべてをまかなえないからそうしているわけですから、もし片方の収入が欠けてしまったら、年齢によっては失業保険が出おわった後でも再就職先がみつからないこともあるので最終的には生活は成り立たなくなります。
フィナンシャルフィールドの「共働きで世帯年収1000万円ってどのくらいいるの?家計での注意点とは?」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200313-00010002-ffield-bus_all)によると、共働きで世帯年収が1,000万円を超える世帯は12%あるようですが、よくある家計相談の例や世話になっている仲介業者・保険担当者さんらの話を総合するとそうした世帯は夫婦二人分の年収を当てに住宅ローンや教育費を目一杯で組んでいる傾向があります。
どちらかが欠けた時点ですべてが崩れます。
稼ぎ手が一人であったとしても働き手を増やしても、入る給料が増えたところで手元に残るお金は全然増えません。
例えばですが、最初からどちらかの収入だけで生活していて、もう一方の収入はほとんど全て貯めているというような家庭であれば、クビへの十分なリスク対策になりますが、そこまで徹底している家庭はほとんどないでしょう。
働きたくても働く機会があたえられない=生きられない、に備える
ふたつめの「働けないリスク」に備えて、ときおり貯蓄や副業などを勧めるアドバイスを目にしますが、貯蓄は確かに働けない間しばらくは自分たちを支えてくれますが、使ってしまったとは無くなるのでまた貯め直さないといけません。
副業もいっそのことそれを本業にするくらいにできればよいですが、「副」というくらいですからほとんどの場合はそれだけでは収入が足りないはずです。
まもなく定年が70歳まで延長されますが、その一方で人を雇う側は少しでも早く古くなった人員を整理を進めようとしていますから、小さな企業などで雇ってくれるところがあるにしてもいい給料をくれるところは多くありません。
「働き続ける」はキツい道です。
働きたくても活躍の場を与えられないというリスクに対しては、少しずつ、自分が働けなくても稼げるようにしていくことが有効です。
投資には健康状態の条件や給付日数の制限もありません。 自分がどういう状態でも常に家賃や配当を得られるようにしておくと保険以上に安心です。