Dappsの技術は暗号資産やゲームにも広く応用されています。とりわけ、ビットコインやイーサリアムなどの人気が高い暗号資産への活用が進むことで、利便性のますますの向上に期待が寄せられているのです。ブロックチェーン技術の醍醐味でもある非中央集権システムの確立と海外送金などのスピードアップという両立を図ることが大きな課題でもあります。その詳細について見てみましょう。
暗号資産の利便性向上に貢献!
日本でも暗号資産に対する興味関心が徐々に高まってきています。そんな中、Dappsという言葉を耳にする機会が増えたと感じる人も多いのではないでしょうか。DappsとはDecentralized Applicationsを省略して表現しているものであり、Decentralizedの頭文字となる「D」とアプリケーションの「app」に「s」をつけたものです。Decentralizedは、日本語に直訳すると分散型という意味ですので、全体的な意味もなんとなく理解できるかもしれません。読み方は、「ダップス」もしくは「ディーアップス」のどちらでも大丈夫です。
そもそも、Dappsのような分散型アプリケーションの定義については、それぞれのオペレーティングシステムが自動化されており、中央のコントロール主体を持たないことはもとより、暗号化されたブロックチェーンを持っていることなどが挙げられます。また、アプリケーションの利用に際しては、暗号トークンを活用することが求められ、その参加者に対して報酬が支払われなければなりません。加えて、アプリケーションに対してユーザーやクライアントから改善の要望やリクエストがあれば、プロトコルを改めて見直すなどの対応を迫られることになります。
Dappsの技術は暗号資産にも応用されていることをご存知の方も多いでしょう。たくさんの種類がある暗号資産ですが、その代表格ともされるビットコインにも応用されているのです。Dappsの最大のメリットといえば、非中央集権的ということです。現在のほとんどのサービスが中央集権的であり、その運営者や管理者によって、多額の利用料や管理費などを搾取される仕組みになっています。ビットコインなどの暗号資産が飛躍的に多くの人に支持されるようになったのも、運営者や管理者を必要とせず自由に売買できるという点が大きいといえます。
ビットコインやリップルなどと共に、人気の暗号資産として知られているのがイーサリアムです。実はイーサリアムのプラットフォームがDappsに大きく影響を与えています。イーサリアムの特徴にはDappsの数が他の暗号資産と比較しても多いという点が挙げられます。現在進行形で活躍しているものだけでも300を超える数があるとされており、これが人気の原動力につながっているのかもしれません。中央主体を持たないシステムが多いイーサリアムは、Dappsとの相性は抜群です。このようにDappsの技術を活用している暗号資産としては、イーサリアム以外にもネオやリスク、クアンタムなどがあります。
課題が残る処理スピード
暗号資産やゲームなどに多く利用されるなど、Dappsの成長や進化のスピードの速さには目を見張るものがあります。しかしながら、課題や改善点があることも事実。それは、トランザクション処理能力が、まだまだ乏しいという点です。具体的にいえば、処理速度が遅くユーザーやマーケットにとってのマイナスポイントであることは否めません。暗号資産を使っての海外送金なども現在では当たり前のように行われていますが、Dappsの技術が活用されているビットコインやイーサリアムの送金に関しては長時間を要するという指摘があるのが現状です。一方、同じ暗号資産でもリップルの場合には、速やかな送金が可能です。しかしながら、リップルはDappsではないことでも知られており、中央集権的な暗号資産との指摘を受けることも少なくありません。このように、それぞれの暗号資産には特徴や特性があるのも面白い点といえるでしょう。
Dappsに対しての注目が高まっているのは、セキュリティ対策という面でも申し分ないからです。Dappsのセキュリティや安全性については、非中央集権的であるという理由から、懸念視する声や意見があることも事実ですが、過度の心配は必要ありません。中央に運営者や管理者が実在しない分だけ、それぞれのユーザーやマーケットが警戒感を持って臨むことになります。アメリカで起こったフェイスブックの情報流出事件やコインチェックの暗号資産流出問題などは、管理者がその責任を怠ったことに起因しているといえるのではないでしょうか。一方、Dappsを使った暗号資産では当然ながら、ブロックチェーン技術が採用されていることもあり、改ざんすることはできません。このようなことから、将来的には本人確認のための最も有用な手段としての利用にも期待が寄せられます。
仮想通貨マーケットの飛躍のために必要
利用者の増加に伴い注目が増している暗号資産のマーケットにも大きな影響力を持つのがDappsです。わかりやすく言えば、分散型アプリケーションとなりますが、これからの成長にも大きな期待が寄せられています。管理者不在という最大の特徴をリスクと考えるのではなく、それぞれのユーザーやマーケットが警戒の目を光らせることでセキュリティ面が強化されることになります。次世代に向けての必要不可欠な技術です。