お金は一度使ってしまうと無くなってしまうので、働く⇒貯める⇒使う以外のことをあまりよく知らないでいるとお金の心配は無くなりません。お金の不安を大きく減らすためには、お金を生んでくれるものを増やしていくことがとても有効です。
よく見る家計相談に、将来を心配し過ぎる若い人からの相談例があったので、今回はそれについて触れたいと思います。
将来が不安な若い人
マネーポストの「老後不安は若者のほうが申告?金融資産を築くよりも今すべき大切なこと」(https://headlines.yahoo.co.jp/cm/main?d=20200316-00010002-moneyplus-bus_all)などをみると、少し恵まていてもそれに十分に生かせずに、ずっと将来への不安を抱えたままでいる人も多くいるようです。
45歳定年や40歳以上大量整理といったこともわりと普通になりつつあるので、相談を寄せた男性はまだ26歳とまだ若いので今のうちに、自分以外のものに働いて稼いでもらう術を知っておいたほうが有利になります。
相談者が想定している老後資産の内訳をみると退職金1,700万円見込みというものも含まれているため、最近の労働市場の動きをあまり把握していないようなのですが、記事中にもある通り、今はどこの企業も終身雇用を保証できるような状況にはなくて、一昔前のような多額の退職金をもらえることは期待できません。
ただし先程触れたように同じように早めにクビになる場合はこれくらいもらえる可能性もあるので、それも見越してという意味であれば期待できそうなところはあるので試算に入れても良さそうです。
これもあまりに当たり前になれば、額は少なくなるかもしれませんが…。
ただ、この男性もある程度は将来「働く」が厳しくなることは分かっていそうなところもあって、変な贅沢はせずに堅実に暮らし毎月4万円を貯めつづけて、年間136万円を投資に振り分けているようなので、将来に向けて準備を進めてかなりの額を準備しているところは感心です。
不安をなくすには利回りの高い投資も必要
相談者が今現在やっている投資の内容は主にロボアドバイザー機能が中心のようですが、直接の現物投資したしたことがないので調べて見ると、これは主にファンド選びの手伝いをしてくれるものらしく信託報酬も会社によって年間0.5~1%掛かるようです。
紙の資産からの利回りは、高配当株でも3~5%ともともとがそれほど高くはないので、1%もの報酬を払い続けるとさらに利回りは低くなってしまい、長期で手残りの額を比べたら差がつきます。
なので、これについては記事中でも推奨されているように、どういったものに投資をしているのかある程度手法を学んだら自分で個別株などに投資をしていった方が良さそうです。
こういう家計相談で毎回気になるのですが、FPの多くはおそらく自宅以外の不動産には一度も所有したことがないのか、金融資産への投資しか提案されていませんが、将来への不安をなくすのであれば、不動産も投資対象から外すべきではありません。
今回の男性は結婚は考えていないため相続対策としてのメリット等はあまり関係ありませんが、そういうものを抜きにしても定期的に稼ぐ力は不動産のほうが圧倒的に上です。
例えばこの男性が持つ資金930万円の全てを不動産に振り分けた場合、中古の集合住宅を買い満室経営すれば年間実利で15%以上で回すことは十分に可能です。
代わりに全て株式で持てば得られる配当収入は年間で28~46万円程度といったところでしょうか。
「エア投資家の皮算用」とか言われないようになるべく堅く試算したいところですが、もらえる賃料を利率で換算すれば事実としてそういう利回りになります。
物件によっては入居者付けが難しかったりリフォームが必要といった事情もあるため、購入後何もしなくていい紙の資産よりも最初に多少手が掛かるため利回りが高いのです。
ですが、一度入居者が付けば長期で安定的に賃料を稼げてそれほど手は掛かりません。収入と資産を増やすには、順序としては若いうちに最初に不動産の数を増やして収入の額自体を大きくしておいてから、その後で株式などに振り分けて流動性を確保する方が、老後対策としてだけでなく、40歳以降のクビリスクへの備えとしても機能します。
この順序を間違ってしまうと、資産を増やすスピードが遅くなってしまいます。
今回の相談例は老後不安がメインとなっていて、途中でクビになるかもという視点が欠けていましたが、先に収入源の数と副収入の額自体を増やしてしまえば、40代で途中で勤め先を放り出されても安心です。
仮に退職金が出なかったとしても生きられるので、あまり心配はいりません。 それまでに作った副収入が大きければ、この男性の暮らしぶりであれば、上がりを使ってさらに上がりを増やしていくことも可能です。