なぜ投資をしなければならないのか分からないという人は、明治大学准教授/エコノミストの飯田泰之氏による「21世紀の資本」(2014年・フランスの経済学者トマ・ピケティ著)の解説(「ピケティ「21世紀の資本」が移植の映画化、世界で広がる「格差」の正体とは?」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200321-00010002-moneyplus-bus_all))をぜひ読んでみてください。
自分が働いてお金を稼ぐよりも、お金に働いてもらう方がより効率的に稼げるようになってしまった背景や、資本主義がどういうものかがよく分かります。
戦争が起きないのでリセットされない
昨年もここで触れましたが、
r>gとは簡単にいうと、
家賃や配当などの上がりを得て資産を増やす力 > 働いてお金を増やす力
という状態を表します。
ピケティの本を知る前にすでにこの法則に基づいて行動してしまっていたので実際に中身を読んだことはありませんが、内容はシンプルで結論としてはこれが全てのようです。
飯田氏によると、今まで日本で投資の必要性があまり認識されてこなかった理由の一つとして戦後に行われた大地主からの土地を安く買い上げて小作人に売り分けた改革の効果がとにかく大きかったらしく、これによって資産を持つ人と何も持っていなかった人たちとの差が強制的に急激に縮まり、その後の数十年は普通の人でも経済成長の恩恵を受けられたからのようです。
ですが、高度成長も終わり今は経済成長率が0~1%前後と低いため、どんなに頑張って働いても給料として分配される分はなかなか増えません。
機械化も進んだので、お金を使ってオジュケンさせて学力を付けさせても、それを高く買ってくれるところは少なくなりました。何で一生懸命お勉強したウチの〇〇ちゃんを雇わないの!と怒ったところでそういう人の需要がないので仕方ありません。
給料の一部を銀行に預けても付く利子はほぼセロに近く、お金はほとんど増えません。
その一方で、配当の利回りは上がり家賃の利回りは元から高いので、「働いてお金を稼ぐ」は投資に敵なくなりました。
こうしてみるとあたかも悪い時代が来てしまったようにも見えますが、ピケティや飯田氏によると過去数百年を見る限りでは、良いか悪いかは別として実はこれが普通の状態で、むしろ今までの数十年のほうがある意味異常だっただけのようです。
たしか専業主婦は2億円の損(女性の平均年収×40年+退職金としれもらえるであろう額、で試算すると2億円に届かないので大きく見積もり過ぎですが)という本を書いた著者だったでしょうか。この格差が続く原因が分かってきた人たちが、世の中のリセットを望んでいるとありました。大戦から70年以上が経過して格差が固定されてしまっているため、また同じ大規模の戦争でも起きない限りはリセットされません。東スポですが、「三浦瑠麗氏 日本が抱える「経済格差問題」ズバリ指摘」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200318-00000067-tospoweb-ent)にも、誰も幸せにはなれないけど、こういった無理矢理の解決策しかなさそう…とありますね。
ですが、今の社会では財産の移動も難しくはないので、最も生き残れる可能性の高い場所にお金持ちだけが移ることで格差が全然リセットされない可能性もあります。
格差の解消方法としては、富裕層への課税や相続税の強化が挙げられていましたが、まず難しいでしょう。
投資をしてお金をもうけている力のある人たちが、自分たちに不利になるような税制を作ることを許すとは思えません。
祖父母からの相続で計2回払った者としては、 この税金は二重課税(一度納税して残ったものに対する再課税)にしか見えないため、しかもそんなにお金持ちではなくても払わされるので課税強化は納得がいかない部分もあります。
世の中が悪いと言い続けるよりも
このように一度できてしまった格差はなかなか解消されません。
先程も触れたように、預金にはほとんど利子は付かず、景気後退で給料も増えにくい状況にあるので、今の世の中が悪いと文句を言い続けるよりも、いっそのこと投資をしてお金を得る側に回るほうが少しでも経済的に豊かになれる可能性があります。
雇われが輝いていた時代が懐かしいという気持ちもよく分かりますが、やらなければさらに苦しくなっていくだけなので、今回のショックを機に少しずつでも良いので進めていきましょう。