コロナ禍による急激な経済の落ち込みを見ていると、景気と連動して浮かれたらいけないと、つくづく思います。
経済はムダな贅沢をしたり見栄を張るための消費で回っている部分が大きく、投資で間接的にそういったことからの恩恵を受けている身なので全否定はできませんが、少しズルい言い方をしてしまうと、ハデなことは周りにやってもらって自分自身は地味で居るほうがそこそこ幸せにやっていけそうです。
景気と連動すると浮き沈みが激しくて疲れる
見栄にお金を使ったり贅沢をすると、いい思いは頭の中にずっと残るのかもしれませんが、投資とはちがうので手元には何も残らないし、お金も生んでくれません。
でもみんなハデなモノやコトが好きなんでしょうね。
お金が回っている間はハデなモノやコトが流行ります。いいものを着て、いいものを食べ、いいところに住み、いいものを見聞きしに行き…といったハデなモノやコトをSNSに載せて自慢し、注目を得られたら格好いいし本人は気持ちいいでしょうから、それを見てまた多くの人が真似ようとします。
もしかしたらただの無駄遣いかもと半分わかっていたとしても、同じことをすると何となく安心を感じるようなところもあるのでしょう。真似てやりたくなってしまうのは仕方がないのかも知れません。
景気がいい時に最初にこういったハデなモノやコトに手を出すのは、ふだんからわりと目立つところに居る人たちが多いように思います。自分でビジネスを持っている人だけでなく、どこかに勤めて働く人も含めてです。
事業をやっている人も雇われて上を目指している人も、自分のビジネスあるいは勤め先が順調な間はそれなりのお金が入ってくるので、その状態がずっと続く保証など無いにもかかわらず入ってくるお金を毎回ハデに使ってしまう傾向があるようです。なので今回のコロナ禍のような事態が発生してお金の巡りが悪くなると、わりとすぐに資金繰りに困って倒れてしまいます。
パンデミックでなくてもほぼ10年おきくらいに経済危機は起きているので、こういったことが起こりうることも頭の片隅に入れておいて投資をしないまでもせめて少しくらいは資金を残しておけばよいのに、一体どこから底なしの自信がわいてくるのか不思議なくらいに不測の事態への備えを全くしていない人が多いように見えます。
今のところは主に事業をやっている人たちの苦境についての報道ばかり続いていますが、しばらくしたら今度は雇われて働いている人たちが高値で買ってしまったタワマンのローン破綻などもニュースになりそうです。
苦しくなったときに、ハデなモノやコトの思い出がどうやって自分を助けてくれるのでしょうか…。
投資家にとっても他人事ではなく
コロナ禍はビジネスオーナーや働き手だけでなく、投資家にも影響を与える可能性があります。投資資金を自分で用立てるか借りるかはよく考えておいたほうがよいでしょう。
自己資金で投資をしていれば、大きな案件には手を出せませんが、今やっているものが上手くいかなくなり一時的に稼ぎを生まなくなったとしても、誰かの取り立てに追われ続けるようなことはないので、こうした事態が起きても倒れるようなことはありません。
でもお金を借りて大きく投資をしている人はそうもいきません。景気のいい時は借りれる限界の額まで借金をして大きな案件を回すことができますが、背負った借金の返済が重いのは事業者や働き手の人たちと変わらず、投資案件が上手くいかなくなったからと言って返済を止めるなんてことも許してもらえません。
すでに倒れ掛かっている人にさらに貸してくれるようなお人好しはいないので、こういう事態が発生すると、大抵数か月で返済が滞り倒れてしまいます。
地味な道はつまらないけど堅い
景気の流れに合わせて生きている多くの人に対して、景気がいい時でも浮かれずに変わらず堅実にやっていた人たちは、ふだんの姿が地味で格好良くはないですが、こういう事態が起きても何とか生き延びていくことができます。
ビジネスをやっている人でも、景気の動向にあまり左右されずいつも大体一定の需要がある事業をしていれば、好景気に乗って大きく儲けるといったことはできないながらも、その代わりこういった状況下でも必要とされ続けるので稼ぎは減らず倒れません。
今回の事態が一旦収束したら、また10年前と同じように誰かが泣く泣く手放した良いものが色々安値で出回りそうです。堅実にやってきた人にとってはいいものを安く買い増やせるチャンスとなります。
地味でも、抵当などの他人の権利が引っ付いてこない状態で投資をすれば、誰からも追いかけられることがないので、安心して投資を続けることができます。
ハデなモノやコトへの消費は、ほどほどにしておいたほうが良さそうですね。
同じお金を使うならば、稼ぎがあるうちに副収入を増やすなどしておいたほうが自分のためになってくれます。