前からあるものではありますが、最近また共働きでもなかなかお金が貯まらないといった悩み系のものをよく目にします。今は夫婦二人で働くことも珍しくなくなったので二人分合わせれば収入は昔よりも多そうなイメージはありますが、実際は片働きと共働きとの収入差は平均で見ると年間100万円しかなく、しかもその差額分を貯めているかというとそれは出来ていません。貯蓄額はほぼ同じです。
なので、お金を貯めるには片働きであろうが共働きであろうが給料日などに天引きなどで強制的に貯めるしかないようです。
世帯収入がそれなりに大きくても
All Aboutの「世帯年収800万円家庭の正しいお金の使い方」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200304-00022903-nallabout-life)では世帯年収800万円夫婦を例にどうお金を貯めればよいかが示されています。
一昔前であれば世帯年収800万円というのも稼ぎ手一人でという家庭も多かったようにも思うのですが、今はこれを二人でというのが主流です。先日も触れたかもしれませんが、大雑把に片働きと共働きの平均の世帯年収を見るとそれぞれ中央値が400万円、500万円となっています。ここ20年くらいの労働者全体に分配される給与総額は約30兆円くらいしか増えていないので、一家の働き手の数が増えたとしてもこれでは生活レベルは昔とあまり変わりません。
さて記事中では例えば夫が年収700万円で妻が扶養内でのパート勤めの場合は、「妻の収入は全額貯蓄!」とありますが、まず難しいでしょう。
一昔前もよく、共働きであれば妻の給料を全て貯蓄に…とかいうのがありましたが、それ通りに貯めらている人に会ったことがありません。稼ぎが増えるごとに生活レベルを上げてしまうので、稼ぎがいくらであってもお金を貯められる額は増えません。住宅ローンなどがその代表例で、夫婦二人の年収分で使える枠をフルで使って借りてしまうため、どちらかが欠けると生活が破綻するという夫婦はわりと普通にいます。リーマンショック後には正社員同士の夫婦でも妻側がらがクビになり戸建てを手放した夫婦を実際に見ました。
ほとんどの場合は特に贅沢をしていなくても生活費や必要経費を一人の稼ぎで賄うことが難しく、二人で働かないと足りないからというのが、二人で働く理由ででって、純粋にお金を貯めるためという目的で働きに出られるほど余裕がある夫婦の割合は少ないようです。
強制的に最初によけて貯める
結局のところ、働き手を増やしてもかせぎを増やしてもその分使ってしまうことが多いため、貯められる額は大きくなりません。
なので、使ってしまう前に元から無かったものとして扱い強制的に天引きなどで貯金してしまうのが一番簡単です。足りなくなる部分はそれに応じて支出も削るという形のほうが、しっかりお金を貯められそうです。
記事中にはキャリアアップで年収1,000万円を目指そうとありますが、働いて給料を増やすのは簡単ではなく、増えれば増えるほど税額や保険料も比例して重くなります。また、給料が上がればクビ⇒無収入のリスクが高まり、責任も重くなりストレスが増え健康リスクも高まります。
子どもがいれば育児をするのも時間を割くのも難しいので、さらに稼ぎを増やしてお金を増やすというのであれば、不動産や株式など資産からの上がりを増やすほうが、外に出ない経費(減価償却など)として差し引けるものがあったり、税率が低く一律(証券については分離課税)なところもあったりして有利なので、働く以外の方法にも目を向けておきましょう。