国立国際医療研究センターは、新型コロナウイルス感染症の治療のため、
感染した患者に、回復した人の血液の成分を投与する新しい治療法の臨床研究を行い、
4月23日、病院内の倫理委員会で正式に承認されました。
米国では大規模な臨床研究の計画が進んでおり、中国では重症患者への効果が報告されていて、担当する医師は
「重症患者の治療の切り札になる可能性もある」
としています。
「回復者血しょう治療」
と呼ばれるこの治療法は、過去に新型コロナウイルスに感染し、
回復した人の血液からウイルスなどを攻撃する「抗体」が含まれた「血しょう」と呼ばれる成分を取り出し、患者に投与するもので、
回復した人およそ50人から1人400ミリリットルの血液の提供を受け、血しょうを患者50人に投与し、安全性や効果を調べるということです。
国立国際医療研究センターでは、回復した人に血液の提供を呼びかけ、早ければ来月にも患者への投与を始めたいとしています。
臨床研究を担当する忽那賢志医師は、
「回復した人の抗体を使う治療法は、エボラ出血熱の患者に対して用いられた方法であるため、一定の効果がみられると期待している」
と話しています。
また、武田薬品では新型コロナに感染して完全に回復した人の血液の中にある血しょう成分から、抗体を含む成分を抽出して精製する
「血しょう分画製剤」
の開発を進めている。
複数のライバル会社と提携し、共同で開発・供給することを決めたノーブランドの治療薬であり、
1企業の収益よりも、製薬会社としての使命を優先させた格好だという。
世界が100年に1度の危機を迎えたといわれる今、
複数の製薬会社や、各国の医師たちが結託し、奮闘しているということを心に刻み、感染拡大防止に、協力していきたいと思います。