新型肺炎の感染拡大が続き、なかなか収束のめどが見えてこない中、暗号資産の相場がどう動くか気になる人も多いかと思います。この状況が続くことで、流通量に増減があったり、マイニングへの影響があったりと、ビットコインなど各種の暗号資産の価値が大きく変わる可能性もあります。今回はこの新型肺炎の世界的な感染拡大が続くことによって、暗号資産の市場がどう動くかを見ていきたいと思います。
新型肺炎の世界的蔓延による暗号資産の取引への影響
新型コロナウィルスの感染拡大が続く中、ビットコインなどの暗号資産の価格が上がっていますが、今後も上昇が続くかは不透明であるという見方も出てきているようです。
暗号資産はマイニングという決済のブロックを構築する作業を経て新たに生み出されますが、そのマイニング作業は主に大規模なマイニング事業の展開に有利な環境が整っている中国などにある大きな工場が担っています。このように、現在流通している暗号資産の大部分を「採掘」していますが、その中国で最初に新型肺炎が蔓延して、この間に各通貨の供給量が減ったことから、市場での流通量も減少すると見られています。
供給される量が少なくなるということは、暗号資産の希少価値は高まります。そのため、ビットコインだけでなくそのほかのコインも全体的に価値が上がっていくと思われます。中国ではいち早く経済活動を再開させていますが、まだしばらく供給不足は続くと見てよさそうです。
新型肺炎の感染が拡大したことによって、一部の国では富裕層が国外に脱出しています。ビットコインなどの暗号資産は渡航先でも換金せずに使うことができるので、渡航先での生活を始める資金として、自分の手持ちの一部を暗号資産に替えて出た人もいるでしょう。
4月24日に米政府が、紫外線や高温多湿の環境が新型コロナウィルスの減少に効果があると発表したようですが、南米地域に渡った人もいるかもしれません。
例えばブラジルは新型コロナウィルスによる被害はヨーロッパやアメリカなどと比較すると小さいので(徐々に増えてはいるものの)、一部の富裕層の人たちは、手持ちの現金を暗号資産に替えて、この事態が一旦収束するまで自国に留まるよりもこういった地域で過ごすことを考えてもべつに不思議ではありません。
中国だけでなく南米でも暗号資産の採掘/供給は盛んで、ビットコインなどのあらゆる通貨が日常的に取引されています。特にブラジルは南米一のビットコインの取引量を誇るほど暗号資産が流通しています。
暗号通貨の需要が増えている
新型コロナウィルスの特徴の一つに、接触が感染を広げているという点が挙げられます。最初にこのウィルスの蔓延に苦しんだ中国では、飲食店が人との接触を極力減らすためにデリバリーサービスに換わるなどして感染防止に努めたようで、暗号資産も感染拡大防止に一役買ったようです。現金による決済であれば、商品の購入時には直接手渡しで決済をする必要がありますが、暗号資産であればスマートフォンで相手に送金して支払うことが可能です。
中国以外でもこのようになるべく人との接触を減らす生活を進めているので、今後もビットコインなどの暗号資産の需要は高まるかもしれません。最近ではビジネスでも受注や発注など取引はネットを経由して行っていたり、直接の接触を避ける傾向がみられていて、その決済の手段として暗号資産の送金は便利で効率的です。
今回の新型コロナウィルスは、ビジネスに関しても、また生活や趣味など娯楽の面においても、暗号資産の利用や流通を促進させるきっかけになるかもしれません。
暗号資産の価値は上がるとみられる
このように、新型肺炎の感染拡大によって中国などでのマイニングによる暗号資産の採掘量は減って、一方でウィルス感染を避けるために暗号資産を用いた非接触型の決済は生活だけでなくビジネス面でも増えていくので需要は増えると思われます。結果、暗号資産の価値は全体的に上がっていくと考えられます。