多くの場合、そもそもなぜお金を貯めるのかというと、何らかの理由で稼げなくなった自分を代替えしてくれるものとして持っておきたいからではないでしょうか。
ですがおそらく、働いてお金をもらう⇒使って無くなるとまた働いてお金をもらう、を繰り返すだけで生きていると、お金の心配は無くなりません。
LIMOの「お金に不安を感じている人は何割?お金を使う罪悪感から脱却できる方法」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200220-00016022-toushin-life)によると実に約9割もの人がお金についての不安を抱えているとあります。
みんなその不安を解消するためにお金を多く貯めようとしますが、貯めても今度はそれが減るのが怖いとなると、不安のループに入ってしまい絶対に抜け出せません。
お金が少なくなるのが怖いのであれば、無くならないもしくは簡単に擦り減らないで繰り返し使えるものを持てば、心配はかなり減らせます。
どうして心配になるのか
お金に対する心配をなくすには、より多く貯めこむのが手っ取り早く安心を得られる手段のように見えます。
ところが現金はいちど何かに使ってしまえば手元から消えてなくなるので、また不安に駆られます。
ですから、貯めたお金を全然使えないままで居る人もいます。
しかし、少ないと不安だから貯める、でも貯めたら少なくなるから使えない…、となると一体何のためにお金を貯めるのでしょう。
お金は自分が必要とするモノやサービスを買うためにあるはずですが、それができないのであれば、いくら貯めてもあまり意味はありません。
なので、とりあえずお金を貯めれば自分の将来は何とかなるという発想は捨てたほうが良いでしょう。
約9割が不安を抱えている一方で、1割は心配がなさそうな理由
先程の記事中のネット調査の結果では、残り約1割の人はもしかすると高給をもらい続ける自信があるからお金の心配をしていない可能性がありますが、
もし古風な調査を行えば、その中に投資をして生計を立てている人の数が増えるので、たぶんこの1割に当たる多くの人から少しちがう理由が聞けたかもしれません。
彼らの中にはふだん暇な人も居て、受け答えするだけで簡単に済む電話には出ますが、ネット調査(こちらも結構簡単ではあるのですが)は面倒くさがる傾向があります。
もしその調査で彼らに同じように、なぜお金について心配していないのか?と質問したら、「持っているものがお金を生んでくれるから」と答えるかもしれません。
ここでも何度か触れた知るぽるとの家計調査などによると、不動産や株式などから上がる家賃や配当などの収入がある人は大雑把に数%くらいずつですが、彼らが持つそれらの収入源は繰り返し何度も使うことができる性質のものなので、貯めこんだ現金の額がそれほど多くなくてもあまり心配はありません。
家賃は毎月、配当は6か月おき/毎年、広告料なども毎月入ってくるものなので、仮にすべて使い切ってしまっても(出来れば再投資するべきですが)、また入ってきます。
お金に関する心配を減らすには、こういう収入を得られるものを増やせばよいのです。
働いてお金をもらうだけが唯一の収入源となっている場合はこうは行きません。一度お金を使ってしまった後は、貯め直すには何とかまた自分が働くしかありません。
苦労の繰り返しです。
しかも寿命が延びる一方で、働かせてもらえる機会は少なくなるばかりです。
働かなければお金を稼げません。
お金を貯めれば老後は助かる?
冒頭のLIMOの記事でも参考にされていたBIGLOBEの調査(「お金に関する意識調査」https://www.biglobe.co.jp/pressroom/info/2019/09/190918-1)を詳しく見ると、老後が不安・年金を何とか改革してほしいという人が5割近くいますが、財政難なので受給額が増えることはほとんど期待できません。逆に今後も徐々に減り続けていきそうです。
だからこそお金を貯めたいということなのでしょうが、繰り返しになりますが、現金を貯めてもそれを使って減るのが怖くなるので、意味はありません。
お金の心配を減らすには、現金を貯めこむよりも、自分の代わりに稼いでくれるものを増やすほうが効果的です。 「収入が少ないから将来が心配…」(先程のBIGLOBEの調査でどの世代でも60%近くいる)という不安を和らげる意味でも効果的なので、働いて稼ぐ・お金を貯めこむ以外の方法にもぜひ目を向けてみてください。