買い出しの際に撮ったものですが、ようやく4月らしい天気になりました。
さて、新年度が始まり、新社会人向けに「しっかりとお金を貯めよう」的な記事を多く目にします。お金をある程度貯めること自体は別に悪いことでも間違いでもありません。ですが、貯めっぱなしでいることは正しいとは言えません。
一昔前は預金に高い利子が付いていたためお金を貯めること自体が投資の代わりを担っていましたが、今はそれが機能していないので、「いざというときのために備える」「老後に不安を抱えたくないから」ということであれば、単純にお金を貯めるだけでは不十分です。お金は使ったら消えてなくなります。
働けない状況に備えるのであれば、お金に働いてもらってどうお金を稼ぐかを学ぶ必要があります。
貯めたお金で危機を乗り切る、は難しくなる
コロナ禍のせいで今年はオンラインで新社会人を迎える式を執り行ったりといった光景も見られたようですが、今年社会人としてデビューした人には、将来を見据えてぜひ給料の一部を、例えば毎月2~3万円位ずつでもいいので、貯めていってほしいと思います。
少し年を重ねて経験を積んでからでも難しいので、将来を見通すのは若ければなおさら難しいとは思いますが、一昔前とちがい、今は自分が想定していた道を進み続けるのがとても難しくなっています。わりと突然クビになるといったことでルートから外される・転職という変更を迫られるということが普通に起こるようになりました。
FPたちはそういう事態に備えて、しっかりと貯金をしておきましょうとよくアドバイスをしますが、貯金自体は間違いではないものの、一つ難点があります。
それは、貯金は一度使ってしまったら再利用できないという点です。
20代ではあまりないかもしれませんが、30代・40代になるとクビになるリスクが高まります。もしクビになっても貯蓄があれば数か月は収入が無くても持ちこたえられるので、その間に新たに職を得ることができれば何とかその場は乗り切れます。ですがその間に自分を支えてくれた分だけ、お金も手元から消えてなくなってしまいます。
何とか再就職できたとしても、贅沢をできるわけではなく、まずは不測の事態に備えるために、もう一度お金を貯め直さなければなりません。
過去の例を見ると世界規模の経済危機は約10年くらいの周期で起きており、今回のコロナ禍のようなものであればそれよりも頻繁に起こりしかも予測もできないので、若い頃に一度危機を迎えてそれを乗り越えられたとしても、また二度目の危機を迎えることは十分に有り得ます。
その時は何歳になっているかは分かりませんが、30代ならまだしも40代に入ると再就職は格段に難しくなります。希望する職種にはまず就けないと思っておいたほうが良いでしょう。昨年くらいからは40代以上の社員の大量解雇(早期の追い出し)も普通に起こり始めました。現役でいられる年数は徐々に短くなり、貯める⇒使うの繰り返しで危機を乗り越えられる年齢の限界も低くなっています。
いつまでも「お金を貯めておけば何とかなる」と考えるのは危険です。貯めては使うを繰り返すばかりでは、いつまで経っても安心できるところにはたどり着けません。老後に備える余裕も持てません。
使ったら消えてなくなるものではなく、繰り返し使えるものを増やす
こうした苦労をしないためにはどうしたらよいか。
そのためには、一度使ったらただ消えてなくなってしまうものを貯めこみ続けるのではなく、繰り返し使えるものを買って持つ必要があります。
不動産や株式やサイトなどは、定期的に家賃や配当や広告料をかせいでくれますが、一度使っただけでなくなるようなことはありません。もちろんメンテも必要ですが、繰り返し働いてくれます。
持ち主自身が働けない状態であったとしても、それとは何の関係もなく、お金を稼いでくれます。
不動産は中古の戸建てなどであれば、200万円前後から買うことができます。月に3万円程度貯め続ければ6年強で買うことが可能で、買った物件に最小限のリフォームを施して入居者が付けば、毎月数万円の家賃を得られます。
毎月の貯金と上がってくる家賃を合わせれば、今度は倍のスピードで次の物件を買うことができます。その後も同じ手順を繰り返すことで、不動産と家賃収入を増やせます。
少し流動性を確保したいと思ったら、幾つか不動産を増やした後は、高配当が付く株式を持つのもいいかもしれません。240~300万円を利回り4~5%の銘柄に投資すれば、毎月1万円くらいの配当収入を得られます。
あまり知られてはいませんが、サイトも売買されているので、それらにも注目しておくと良いものに巡り合える可能性があります。稼ぎの悪そうなものを事前に避けるのもそれほど難しくはありません。他の資産に比べて寿命は短めではありますが、利回りは高いので元を取った上に少額ながら長くもうけられるものも確かにあります。
こういった資産を買うと、一時的には現金がなくなりますが、形を変えて自分の強い味方として、自分を支え続けてくれるのです。
極論を言うと、自分の給料を大きく上回るくらいの家賃・配当・広告料といった副収入があれば、無職で貯蓄はゼロでも問題はありません。定期的な収入がある限りは生活費が十分にまかなえるからです。単なる預金では、こういったことは不可能です。
ですから「ある程度貯まったらそれを資産に買い換える」を意識しておきましょう。
若いときから自分の代わりに稼いでくれるものを積み上げていけば、それが老後の備えにもなり、もしもそれ以前に現役の間に雇用の危機に襲われても十分に対応できるので単純に「貯めてそれを取り崩す」準備をする以上に安心できます。
定年よりもはるかに若くリタイアすることだって、できるかもしれません。