多額のお金を注ぎ込んでも資産にはならないし、あとでだれも高く買ってくれないということが、少しずつ知れ渡ってきているのに、いまだに多くの人が上(?)を目指して無駄遣いを続けているのが不思議です。プレジデントオンラインの家計相談(「年収700万円30代夫婦「子2人を私立に入れる方法」」(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200206-00032380-president-life))などを見ていると、「ローンで夢のマイホーム+子供は全員お受験させて私立に入れる」には、まだまだ根強い人気がありそうです。
この道を進みさえすれば自分たち夫婦も子どももずっと食べられる、というのであればこれでも全く問題はないのですが、そんな安心からは程遠いのが難点です。
廃れても人気な「普通」のルート
本人たちからすると周りがそうしているからということで、ただ普通を望んでいるだけなのかも知れませんが、将来のためのつもりでも、結局最後には大したものが残らなそうな ので、「ああ、またやってるよ…」と思いつつも、空しさのようなものも感じたりします。
狭き門をくぐろうとすると、負けた人たちが得られるものはほとんどなくて、それまでの努力は他で活かしにくく無駄になるので、できれば最初からそこには近寄らず、別のルートを探っ たほうがよいとは思うのですが、狭くなればなるほど余計に底を無理に通ろうとするので不思議です。
ここまで不確実なものを好むところを見ると、自分では堅く生きているつもりで、彼らは皆じつは相当のギャンブル好きなのかもしれません。
年収700万円でも住宅ローンを組んでマイホームを手に入れて子供二人を私立に入れたいと願うのは、とりあえずそうしたいと思うだけならタダで以前はわりと普通のことでしたが、税金・保険料の支払い増や住居価格や教育費の高騰などで、この世帯年収ではそういったことを実現するのは難しくなりました。
冒頭の記事中ではFPが、年収700万円では毎月のローン14万円の支払い+私立校の学費捻出はほぼ不可能なため、まずは奥さんがフルタイムで働き趣味も副業レベルで続けて稼ぐべきと、どうしてもこのルートを進みたいのであればとにかく収入アップを図るべきとアドバイスしていますが、収入アップが必要なのはその通りではあるものの、みんなとおなじようにその道を進んでも、買った自宅は無事にローンを支払居る頃には老朽化していて残存価値は半分以下になっており、頑張って私立に通わせたものの企業がそれだけしかしてこなかった学生を取らずと、結局大したものは残せずに、ただ疲弊するだけで終わりそうです。
発想を変えれば
同じ大きなお金を使うにしても、
例えば高額な借金して、自宅を買ってしまえば何も稼ぐことができませんが、そのお金で代わりに例えば集合住宅などを買う、あるいは新規で建てて貸せば、毎月それなりの金額 が入るので、自分たちが家賃を支払い続けたとしても儲けが出るので、生活に余裕が出るはずです。ローンが怖かったとしても、少なくともただ借金を背負うだけの状態よりマシです。
学費に大きな金額を使って雇ってももらえるかも分からないような紙を一枚持たせるくらいなら、その学費分を最初から、どこか有望な企業の株式でも探させて配当を得たり売却益を 得たりといったことを習わせてあげたほうがよっぽどその子のためになりそうです。
冒頭の記事中の相談者は30代とあるので、最近大ブームとなっている40歳以上大量クビやローン破綻や大企業が従来型の学生を採用しないことなどについてはある程度知っていて危機感を持っているはずなのですが、彼らでさえ前の世代の認識とそう変わらないところを見ると、もうしばらくは、多くの人が「普通の幸せ」を欲しがって結局何も残せない、は続いていきそうです。
ただ、そういう多くの人が見向きもしない状況にあるからこそ、自分たちが不動産や株式やサイトなどを安く買えるのですが…。