つらい時代が来てしまいました。普通に働いて生きるなら、少なくとも70歳までは働き続けないとならないかもしれません。現在政府のほうでも急ピッチで高齢者が70歳まで雇ってもらえるようにするための法整備が進めていて、2月4日にはすでに閣議決定され、国会でこれが成立すれば早ければ来年の4月から施行されるようです。
今後は年金の支給額も落ちるので、一生懸命働けということなのでしょうが、企業の側は先手を打って40代以上の社員の大量整理を始めているので、たぶん雇われて働くことに頼るのは難しいでしょう。
国も企業も誰も高齢者の面倒は見たくはないようなので、お金がない=生きられない、とならないように、雇われて働く以外の手段でお金を稼げるようにしておきましょう。
年金などの社会保障制度維持のため?
国の側も70歳定年制の整備によって、企業側に高齢者の面倒を見させて年金給付の国庫負担や積立金の取り崩し軽減を図ろうとしていたようです。
今現在年金の積立金自体は厚生年金等も含めて160兆円以上の規模で残っていて、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のホームページなどをみると年金はこの額を取り崩して支給される仕組みのようですが、
金額の推移を追ってみると、年金はもうダメだ・崩壊危機だと言われつつも、運用などで積立金は20年前と比較しても20兆円くらい増えていることがわかります(⇒https://www.gpif.go.jp/gpif/faq/faq_01.html)。
受給の状況などについても同じくGPIFのサイトによると、驚いたこと現状でも実に日本人の3人に1人にあたる4,077万人もの人が年金受給者となっているらしく、高齢化率の28%よりも高いということは、いつまで生きられるか分からないから受給額が3割減っても構わないのでとにかく60歳からもらってしまおうという感じなのでしょうか。
給付額も年間55兆円と大きいものの、徴収している保険料や基礎部分の半分の国庫負担もあるため給付の9割はちゃんと積立金を使わずにまかなえていて「年金給付に必要な積立金も十分に保有してあり」、と明記されています。
ただ、制度を100年もたせるためには給付を減らすしかないらしく、そのためにはもう一回さらに年金受給年齢を65⇒70に引き上げて受給する人数をしぼる必要があるとみているようです。
死なせてお金を積み残しても、あまり意味は無さそうですが…。
もうすでに形骸化?
見たところもうすでにこの70歳定年制法案はほぼ形だけのものになりつつあるようです。
昨年くらいからでしょうか。
企業の側の動きを見ると、業績はそれほど悪くはないもののなるべく余力がある今のうちに40歳以上のポテンシャルとコスパが落ちた社員を一気に整理してしまおうという動きが多くの大企業でありました。
最初はこれが単に、年を取った社員をクビ⇒若く優秀な人材に給料を多く払い競争力確保するためのものと見られていましたが、同じ頃、並行して高齢者の70歳までの雇用延長も検討されていたため、企業側もそれ義務化される前に先に将来の負担軽減を進めていたようです。
ファイナンシャルフィールドの「70歳まで働き続ける?「70歳定年法」で働き方はどう変わるのか」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200205-00010001-ffield-bus_all)には、今回は法案が成立してもまずは努力義務までとされ、それの進捗を見てから将来的に義務化して罰則なども設けるといった形で、いきなり義務化はせず、少し企業側に猶予を与えて配慮はしているようですが、国が企業に労働者の面倒を見させようと強制すればするほど企業側は何としてでも社員の数を減らそうとします。
極端な見方かも知れませんが、将来はもしかしたら会社というところには20~30代くらいしかいないかもしれず、その若い人たちも年を取る前に早めにお金を積まれて出されてしまうので、制度があっても実際にはほとんど使われることもなくなってしまいそうですね。
頼れるものは自分の代わりを務めてくれるもの
このように、年を取ってからも雇われて働いて生活費を何とかする、という手はほとんど使えないと見た方がよさそうです。
その時になってみないと実際には分かりませんが、おそらく年を取ってから働くというのはもし気力や意欲があったとしても体にはキツそうです。
どこかが雇ってくれたとしてもやりがいのあるものが在るかもわからず、しかも安くしか使ってくれないかもしれません。 なのでそれまでに出来る限り、自分の代わりにこれが稼いでくれる、というものを少しでも多く持っておくほうが老後は安心できそうです。