社会に出たての頃、よく周囲から「将来のためにしっかりお金をためて残しておきなさい」と言われましたが、全然実行しませんでした。代わりに、お金を稼いでくれる収入源自体を買い続けました。新しく何かを買い付けるごとに「またお金を使って…」とか批判されましたが、お構いなしです。
あの頃もし何も考えずに単純な貯金に邁進していたら、今頃はまるで奴隷のように勤め先に仕え続け、老後不安に怯えながら過ごしていたかもしれません。今のようにクビになる/ならない等どうでもよくて、熱海と東京を行き来しながら色々楽しみながら暮らすといったことはできなかったはずです 。
貯蓄し続ける、が無意味なわけ
現金を貯めては使い消えてなくなり、また一生懸命現金を貯めて…を繰り返すだけでいると、自分自身だけではなく、そのあとに続く世代も皆同じ苦労を永久に繰り返すことだけになります。
単純な現金の貯め込みが無意味というのは、「老後2,000万円問題」にも当てはまります。現金は一度使えってしまうと消えてなくなってしまうため、結局いくら持っていてもそれが尽きてしまう恐怖からは逃れられません。
一方で、貯めている現金が少なかったとしても、お金を稼ぎ続けてくれる資産をいくつか持っていれば、それらから定期的に発生する稼ぎは「老後資金2,000万円」の代わりとして十分に機能するので、実質2,000万円の一部としてカウントできます。なので、単純に現金を2,000万円貯めることに固執する必要はありません。
なかなかお金の悩みや苦労がなくならないし、これまで「働く・給料をもらう・お金を使う」しかやってこなかったという人は、経済的に少しでも暮らしをよくするためには、お金の出どころ自体を増やすという視点をぜひ持ってもらえればと思います。
現金にも弱点はある
現金は、確かにもし何かがあったときには一度だけ自分を助けてくれるかもしれないし、何より日々の取引で使われるものなのである程度は必要ですが、大きな塊として持っていれば安心を得られるかというとそうでもありません。
同じ国に長期間留っていれば価値が一定に見える貨幣だって、社会情勢や国力次第で価値が変動するので、「絶対に安全」なものではありません。
現金の代わりに例えば、中古の小さな戸建てなどの不動産を3つ持ちそれぞれから毎月3~4万円得て、多少流動性を確保するために300~400万円分くらいを高配当の株式を少し持ち月平均で1万円以上得るとすると、毎月合計で単身世帯の平均的な年金受給額約11万円(*総務省統計局の単身世帯の家計調査報告・毎月の年金収入額を参照⇒リンクはこちらから)以上を稼げることになります。しかもこれくらいの額の収入源であれば、約1,000万円前後で作ることができます。
年金収入11万円+副収入11万円となるので、もしもこれらの資産以外に現金を一銭も持っていなかったとしても生活することは十分に可能で、毎月の平均的な支出額は十分にカバーできるどころか数万円の黒字となるため、まだ新たな物件や銘柄を探し回るだけの興味や気力がある場合は、さらに収入源を増やすことだって可能です。
投資をすると一時的には大きな金額の現金が手元からは離れることにはなりますが、でもそれは単なる消費とは異なり、消えてなくなるわけではありません。形を変えて、自分と共に在りお金を生み続けてくれるので、目に見える現金でなくてもなんの不都合もありません。