昨年ぐらいから副業が解禁され始めて、これは働く側と雇う側の双方にとってメリットがあるし、そうならざるえない理由があります。雇う側にとってはもう終身雇用制度を維持できないという事情もあり、働く側にとってはクビになった場合に備えてもう一つの収入源を確保するチャンスにもなり得ます。何か世知辛い気もしますが、縛られたままいきなり放り出されるよりはマシなので、この変化はポジティブなものととらえた方がよさそうです。
ついに堅い企業でも解禁
先月のものですが日刊工業新聞によると今まで副業の解禁からは最も遠いと思われていた銀行などの堅い業界でも副業の解禁を始めたとあります(「兼業・副業を解禁したみずほ、お堅いメガバンクの危機感と驚きの社内反響」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200219-00010001-newswitch-bus_all))。一見、銀行の業務とは何の関係も無さそうなスポーツや、プログラミングなどに関わる仕事もしている人もいるそうです。
副業解禁の主な理由としては、社員が別の世界に触れることによって今までなかった何か新しいアイデアを持ち帰り、新規のビジネスを生んでくれることを期待しており、銀行が進化するためには今までのタイプと異なる人間が必要とのことのようです。社内で反対はあったものの、縛りを弱くすることで優秀な人材にも集える可能性があるということで了承を得たようですが、表向きはこうしたポジティブな面を強調していても、実のところは今までのように各社員を最後まで雇い続けるのは難しいから早めに何か別の道を探すように促しているようにも見えます。
昨年は世の中全体でこの副業解禁の流れと共に、45歳定年や40歳以上の社員大量整理といったことも始まりました。企業としては成長力を保ち続けるためにできれば常に動きの良い若めの社員だけを置いておきたいはずですから、この副業解禁もその一環なのかもしれません。
今までは、整理する予定の社員であっても社内に縛り付けていたため、彼らが切られる時には事前に何の準備もできずわりと急に出されて生活に困るケースがほとんどだったため、せめてそのようなことはせず事前に準備するチャンスと時間を与えているようにも見えなくもありません。社員の面倒を見る責任放棄には変わりなくても、いきなり困らせるようなことがなくなっただけ少しはマシなのかもしれません。
若干制限はあるものの自由度は高いようで
先程のメガバンクの例でいえば、自分たちと競合しては居らず、普段の業務に支障が出なければ、副業の申請は審査を通っているようです。
企業にもよりますが、外資などでも副業に関して自由な会社もあって同じように、自社と競合しておらず・普段の業務に支障が出ないことを条件に、副業だけでなく事前に申請していれば投資などもうるさく言われません。
大量解雇や定年の若年化の常態といったニュースが出ると企業に批判が集まりますが、投資をしていると、企業側の言い分もわかる部分もあります。持っているところがもし使えない社員を抱えているとしたら、もしくはもっと収益を上げてほしいと思うと、こうした動きを全部は否定できないところがあります。
終身雇用が維持できないというのは外国の企業であれば元からですし、多くの国で会社勤めの1度目の定年は早くなってきているので(40代くらいでしょうか、将来的には30代になるかもと言う人もいますが)、日本でもついにそうせざる得なくなってきているため、早めに慣れるしかありません。「いい時代」に戻る余裕はなさそうです。
せっかく全く別のことをやってもいいと言ってくれてるので、是非そのチャンスは生かして「本業」以外の世界を広げていきたいところですね。もし投資をしないでずっと働き続けるとなれば、この先それはどうしても必要になりそうです。