ここ20~30年間ほとんど経済が成長しなかったため今や日本人一人当たりの稼ぎは他の主要国と比べると低い方のようですが、その間にそれなりに成長し続けた主要国の人たち暮らしが楽になったのかというとそうでもないようです。
統計を見れば国力が落ちたのは事実ですが、だからといって他の国に移り住めば幸せな慣れるのかと言ったらそう簡単にはいきません。所得は大きくても支出も大きいので、総合的に見ると生活の苦しさは然程変わらないようでもあり人のタイプによっては日本のほうがマシかもしれません。
所得が増えても支出が多く・国によっては医療費が重い
プレジデントオンラインの「共同トイレ6畳で11万円」サンダース旋風を支える米国の異常な生きづらさ」(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200302-00033312-president-bus_all)などを見ると、たとえばアメリカでは年収880万円でも家賃やそのほかの支出全てを合わせるとギリギリの生活になるらしく、格差も激しいので当然それ以下で暮らしている人も多く、所得がどれだけ増えてもその分すべてにお金が掛かるので生活は苦しいとあります。ときどき北米に出張で行くDr.Tやcommander.Gらも何をするにも高いと言います。
所得が多くても家計を圧迫しているものの一つに高い教育費以外にも、医療費があるのかもしれません。国民皆保険がないので、民間の医療保険に入るしかないわけですがその保険料がとにかく高いらしく、4人家族であれば月額10万円を超すと数年前のnewsweekに出ていましたから、それが払えずに無保険の状態の人が2,7000万人以上もいるようです(「新型コロナの「時限爆弾」無保険人口の多さが脅威に 米」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200312-00000017-jij_afp-int))それと比較すると日本の毎月数万円の支払いだけで済み自己負担も少ない保険がいかに有難いかが分かります。
かわってオーストラリアの現状ですが、こちらも同じく所得は増えたものの現地の人の感覚ではそれ以上に物価高のようで、給料をいくらもらっても手残りが少ないと言います。医療に関してはちゃんと皆保険が整備されているのでその点は安心ですが、意外にも高齢者の貧困率は35%強と高いので、引退後は年金だけでの生活となるとかなり厳しそうです。
欧州にはしばらく行っておらず長期で住んだ経験が無いので公表されている数字等から見るしかありませんが、日本の停滞期に所得は上がっていたようです。ですがDr.Tが昨年各国を出張ついでに視察したところ、所得の水準が上がれば物価もそれなりに高いのはどこも大体同じで、我々のバブル期と比べて生活が楽になったのかというとそうでもないようです。
福祉も充実していると羨む人も多くいますが、ロンドン郊外に長く住んだ妻によると実際には医療費も高く、高度な医療を受けるにはお金が必要なようで救われない人も多いようです。最近もまたその実態が見えてきましたが、新型肺炎の感染が爆発的に広がっている欧州各国では、死者数も日本を超えてこの先もかなり増えそうな勢いですが、クルーズ船の自国民の早期引き取りを申し出なかったり、人を救えないのは財政規律の厳しさだけが理由ではなさそうです。そのわりには医療体制に相当な自信を見せていましたが、それが崩れてしまった現状を彼らがどう言い訳するのか見てみたいところです。
普通の人にとっては
隣の芝生は青く見えてしまうものですが、色々実態を調べて見比べてみると総合的にどこにいるのが幸せなのかその答えをなかなか見出せません。
commander.Gやbackdoor.Hによると、デキる人が報われにくい不合理なところがあるものの、あまり野心的な性格でなければ日本はそこそこ幸せにやっていける国と映るようです。多少息苦しいところがあるものの、例えば今回のマスク騒動でも皆我先にと店に駆け込みつつもしっかり列に並んだり、こういった秩序は弱肉強食の国ではあまり期待できない、格差の大きい社会では常に強く居なければ(精神的にだけなく、物理的に身体も)自分の領域を維持できないので過酷で疲れると言います。
投資環境を見ても、わりと安く配当や家賃の種を買ってそれで食べていける国、という意味では悪くないようにも思えます。2,000~3,000万円の元手で平均収入うくらいの上がりを稼げる国はそう多くありません。他の国ではそこまで到達するにはもっと大きな元手が必要になります。
ダメな面や色々不合理なところもあるので無条件に日本を礼賛するつもりはありませんが、他国よりマシと思える部分は多く、これでもそこそこ恵まれた環境なのかもしれません。