少し前にも同じようなケースを見たような気もするのですが、マネーポストの老後が不安な女性の家計相談の記事タイトルが目についたので、今回はそれについて触れたいと思います。
年金受給開始年齢もズルズルと引き上げられて40歳以上になるとクビのリスクも高まる状況下で、家計相談を寄せる人たちは皆いつまでこうして暮らしていけるだろうかと思うわけですが、自分がもし「いつまで働けばいいの?」と聞かれたら、「それは何にどれくらい投資するか次第だよ」と答えると思います。
*貯めたものを使うだけだと先は暗い
将来が不安とは言いつつも、今回こちらの記事「38歳、貯金950万「生涯独身の予定、いつまで働けばいい?」」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200127-00010004-moneyplus-bus_all)でFPに相談を寄せた女性は、手取り月収が27.5万円・ボーナス年間130万円で年収は500万円台、預金も1,000万円弱ありと、本人曰く前より稼ぎが落ちたとはいえ現在の仕事も悪くはなく、何かをすぐに始められるだけの資金もすでに手元にあるので、恵まれているようにも思えます。
ですがこの人がもし、働く・貯める・老後は生活費不足分は貯えを取り崩して何とかするくらいしかしないとすれば、確かに将来は明るくなさそうです。
60~65歳のまだ若い間はいろいろ動き回るからということからか、記事中では老後の生活費として毎月27万円ほど見込んでいるようですが、今積み上げている1,000万円弱の貯蓄は年金受給開始前に5年も経たずに先に尽きてしまいます。
65歳からは、総務省統計局の家計調査報告(家計収支編)年平均結果の概要(PDF:685KB)(2019年5月10日掲載)を見ると、単身者世帯の支出は、消費支出+税や保険料などで約15~18万円近くとなるので、年金収入の平均額毎月11万円を差し引いたら、毎月4~7万円をどこかから埋めればよいことになりますが、貯蓄や他に何も収入源がなければ、体が動く限りアルバイト等をし続けて埋めなければなりません。
体力的にきついものであれば年齢を重ねても働き口はありますが、実際見ていると歳を取ってから働き続けるのは辛そうです。
*稼ぐ方法を知れば不安はほとんどなくなる
こう見ると預金が1,000万円近くあっても足りないのか…と思われるかもしれませんが、現時点で既にこれだけの元手があるのであれば、今すぐにでも投資を始めさえすれば、「副収入」をメインの収入レベルに育てて定年前に引退することだって可能です。
例えばこの1,000万円のうち、600万円程度を3つの中古の戸建てなどの物件購入に回してそれぞれから毎月3~4万円の家賃を得て、残りは高配当が出る株式の銘柄を幾つか選んで3~5%の配当を得る、といった形で資金を振り分けるとします。
すると毎月合計で十数万円の収入を得ることができるため、働いている間はそれには手を付けずに約200~300万円貯まり直すごとに次の物件や銘柄を探して買い足し続けます。
自分が持つ不動産や株式が増えるにつれて、次のものを変えるスピードもどんどん上がるので、記事中の女性であれば、始めて約10年もすれば今の自分の年収を軽く超えることができます。現在38歳とありますから、この方法であれば、家族ができて出費が増えたりといったことがなければ50歳になる前に引退可能です。
もちろん働きたければそのまま続けてもいいですし、イヤな思いをするようになったら、そんな仕事はいつでも辞められます。
今ある手持ちを現金で持ち続けると、こうした未来は手に入れることはほぼ不可能なので、 「いつまで働けばいいの?」と悩み続けなくて済むように、少しでも若いうちに実物資産への投資を始めて慣れていくとよいでしょう。