先日もまたプレジデントオンラインで世帯年収1,500万円の50代夫婦が老後への備えも薄いので心配ということでFPに相談を寄せられていましたが(「世帯年収1500万”頑張る自分にご褒美”で大崩壊」(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200123-00032392-president-bus_all))、世帯収入が多いとそれに安心して入ってくるお金をほとんど使い果たしてしまう家庭は結構多いようです。
単純に、がんばって働いた対価としてお金が多く入るからそのぶん贅沢をしたいというのももちろんあるでしょうが、雇われて働いてそれなりの年収を得るようになると、周りの働き手に対しても自分をよく見せておかないと自分の地位が保てないとでも感じてしまう部分があるらしく、ついつい、いいものを食べる・着飾る・ムリをして高いところに借金をして住む・子供をいいお学校に行かせるなどの無駄遣いを繰り返してしまいがちです。
そうやって生きてしまうと結局最後には手元には何も残らないのでムダに見えてしまうのですが、一方で経済は見栄を張るための消費で回っている部分も大きく、皆がそれをやめてしまうとパイは縮小してしまうので、世の中には必要なことなのかもしれません…。
こういう夫婦はわりと普通なのかも
冒頭の記事中に登場する50代夫婦は毎月の支出がかなり大きくあまり贅沢と思わずいつの間にかお金を使い果たしてしまうわりと典型的なタイプのようで、色々見通しが甘いところを見ると、たぶん自分たちが50を過ぎたためクビになる可能性とかはほとんど考えておらず、世の中では45歳定年どころかもっと若い年齢の人たちも働く場から整理され始めている状況等もあまりよく知らないのかもしれません。それとも知っていても自分はそうならないと信じたいのかは分かりませんが…。今の暮らしを保ち続けるには定年後も再雇用で働き続けないとできないとあるので、ローンの支払い等もしばらく続くのでしょう。
見通しが甘すぎる
FPからは今回とりあえず食費、交通費、通信費、小遣いなどを減額して月額8万円ほど支出をしぼったとあり、無駄を減らせたのは成果ではあるものの、今流行の役員定年などを迎えると収入は一気に落ちるので、これでもまだしぼり足りない可能性があります。
定年後の再雇用制度で働き続けるとすると給料は半減し生活レベルは保てないため、安い給料で働き続けるよりも、今の仕事のノウハウを生かして定年後に起業したいとか考えているようですが、60歳まで雇われた先の看板で食べさせてもらっていた人が、急に自分で外に自分の看板を掲げても、なかなか稼げるようにはなりません。もっと若くてもそれなりに準備をしていたとしても、失敗した例は幾らでもあるので、見通しが甘すぎます。
老後にどうしても生活レベルを下げたくないのであれば
基本的に年齢を重ねるごとに、そもそも50歳以上の人を雇ってくれるところが少ない・あっても給料はかなり安かったりするので、「雇われて働いて稼ぐ」には頼りにくくなります。
老後も安心して暮らしていくためには、現役の時から見栄を張るためのコストは掛けず、定年後は暮らしをダウンサイズするのが基本ですが、どうしても生活レベルを保ちたいというのであれば、働く以外の収入源を増やす必要があります。
この夫婦は収入に比較して手元の資金もかなり少ないところを見ると、自分が働く以外のやり方で稼ぐ方法も知らなさそうに見えますが、 投資は50代からでも始める稼ぐことは可能なので、浪費癖でお金を使い切ってしまう前に、先に中古の不動産や高配当の株式などの資産を買って確実に副収入を増やし、役員定年による収入の大幅減やそれどころかクビで給料が途絶えること等に対して備えておくのが良さそうです。