確定申告の時期のためか、節税や税制関連の記事を多く目にしますが、海外のタックス関連で 「the world isn’t a perfect place.」という一説を見つけました。
本来は待遇差や格差などを表すときに使われることが多いですが、公平を期してもどこかに不合理な部分が残ってしまうということで、税制に関しても強く当てはまります。
税制はすでにお金を持っている人たちの声が通りやすく、彼らがさらにお金持ちになるように設計されている部分があるので、働く以外にお金を稼ぐ手段を持っていない人からす ると不公平に感じられるところは多いのですが、文句を言い続けても何かが良い方向に変わることはなく時間がもったいないので、できるだけそれらを上手く利用してすこしでもお金を増やして いきたいところです。
軽減税率があったり、経費として認められる範囲が広い
不公平といわれる例を挙げていくとキリがありませんが、
代表的なものとしては、株式の売却益や毎半年~毎年付く配当に課される税金は、うろ覚えですが国策で投資を促すため+企業の資金調達を円滑にするためにに分離課税を選ぶこ とによって、どんなにもうけても最大で20%しか課されません。それに対して、働いてもらう給料は累進課税となっているので、税率が最大で55%にもなるため(稼ぎ全部に対して55%ではなく、一定以上の金額の部分に対して掛かる)、たくさん給料をもらうサラリーマンと投資家が払う税額を比べると、非常に大きな開きがあります。
他には例えば不動産に関しては、面積について細かい規定がありますが、実際に誰かが住んでいたり使っている土地であれば、相続時にはそれらに掛かる相続税が何割も軽減され たりと、基礎控除額を差し引いたあとはほぼ100%課税対象となってしまう金融資産よりも有利です。家賃についてはそもそも消費税も発生せず、収入が大きくなっても稼ぎを 生むために必要な経費として認められる部分が非常に大きいため、株式ほど税率が低くなくても、働いてお金を稼ぐよりも税額は少なくて済みます。
また、これは不公平ではないですが差がつく例として挙げると、ネットでの事業についても必要経費として認められるものは多いので、普通に働いて同じ金額の給料を得るよりも手残りが多くて有利です。5年で償却、はサイトやチャンネルのコンテンツなどデジタルな資産に関しても同じです。
税制だけをみるとサラリーマンが一番の損
サラリーマンは、ほとんどの場合は雇い先に忠実である限りはお金をもらい続けられるえる代わりに税金や保険料はほぼ無条件で最初から引かれてしまうので、あまり税金を減ら すための工夫ができません。それに対して事業者や投資家は手間と時間を掛けて自分で税務申告をする代わりに、税金を安く済ませることができます。
働いてたくさんの給料をもらうと外からは格好良く見えて羨望の的になったりしますが、税制面だけをみると一番損をしている存在とも言えます。
手間を職場が肩代わりしてくれるこの年末調整というシステムは大勢人数がいて取りやすいところから徴収するために作られたやり方のようにも考えられますね。
冒頭でも触れた海外を見てみると、わりと自分が申告をして納める必要がある分だけを納めるという国が多いですが、日本と似たようなところがありサラリーマンが使うお金が経費として認められる範囲は狭いので、働いて給料を得る人たちがキツいのは基本的にはどの国も同じような感じです。
彼らもよくフェアじゃないと声を上げますが、それでも税制の事業や投資に有利な部分はなかなか変わりません。
今の制度は確かに公平であるべきという理念には反していますが、制度がそうなっているということは、それを使うべき・そうあるべきものとして存在しているとも言えるわけですから、すこしでもお金を増やす・残すために、使える範囲でこれらの制度を上手く利用しましょう。面倒臭いと思って調べる手間を嫌がると、知らぬ間に損をしてしまいます。