一時期カリスマ美容師とかがもてはやされてきらびやかに見えるヘアカット業界ですが、東京商工リサーチの記事によると昨年は倒産件数が過去30年で最多だったそうで(「「理容業・美容業」の倒産が急増、過去最多を更新」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200107-00010003-biz_shoko-bus_all))、倒産件数自体は119件とそれほど多くないようにも聞こえますが、倒産でなくても休廃業などいわゆる一般的な閉店も含めると年に数千店舗規模で消え続けているそうです。今のペースの新規参入や低くなった単価の定着は続きそうなので、今後も倒産は増えそうですね…。
要因として
倒産が増えた主な要因としては、駅前やショッピングセンターなどに出店している安い大手チェーンの台頭が挙げられていますが、忙し過ぎたときに実際利用してみると、手っ取り早くそれなりに整えてもらう分には十分だったりします。するとだんだん行きつけの店に予約を取って数千円多く払うのが面倒になり、安いモノ/サービスを利用する⇒最終的に経済規模が縮小する…の方向にすすむのであまり良くないとは思いつつも、いつもそこで済ませようとしてしまいます。
美容やファッション系のお仕事は若い人たちに人気で目指す人も多いですが、賃金は低めのため30歳以降も同じ業界に居続けるのは結構むずかしいようです。
もし独立できたとしても、このように単価が下がってしまうと今までのように顧客一人当たりから大きい金額を得るのが難しくなり、丁寧さや技術で差をつけよにも限界が来てしまいそうです。(今のところ女性向けであればまだ大丈夫そうではあるのですが、色々見ていると女性向けに1500円程度のサービスもあるようで…)
どの業界も似たような状況ながら
ただ、人口減少や供給過多といったマイナス要素が問題を引き起こしているのはヘアカット業界だけではなく他の業界でも同じような現象は見られ、例えば賃貸市場などでもアパートなどが乱立し過ぎて完全に供給過多の状態が続くと新築でも高い賃料は取れなくなるので、新築で始めようとすると苦しくなりそうです。結局入居者が付かないで賃料が取れずに破産となるオーナーさんとかも出てくるでしょう。
結局どの業界も同じような問題を抱えている状況なのですが、とりあえず若い人たちは就職がこれからであれば、興味があったとしてもたくさんは稼ぎにくい現実もあるので別の業界も視野に入れた方が良さそうな気もします。上手ければその分稼げる、とはっきり分かりやすい構造ならいいのですが、実際にはなかなかそうならないのが厳しいところです。