同じような記事を何度も見かけるので、今回もここでその内容を検証したいと思いますが、より多く特にファンド的なものに投資してもらうにはどうしても不安をあおる必要があるのでしょう。便利な数字なのか、あくまでかなり余裕ある老後生活をおくるためには、という注釈が入っているにもかかわらず、それについては意図的に触れず、年金などもふくめて「毎月約36万円の稼ぎが必要」と載ることが多々あります。
ですが何度でも言います。普通に生きていれば、老後は毎月そんなに掛からないので、そこまで資金の準備が整っていなくても心配ありません。
年老いた夫婦で毎月36万円て、どういう生活?
LIMOの「老後資金、夫婦で3000万円は用意したい…50代、今から始める老後の備え」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200104-00015193-toushin-bus_all)によると、できれば2,000万円ではなく3,000万円持っておくことが理想的とありますが、これの根拠は、
(余裕ありの生活費約36万円/月-平均的な年金受給額22万円/月)×20年間
で約3,300万円も掛かるためとのことですが、ここまでの額はおそらく必要ありません。
これもここで何度も触れましたが、今現在例えば自分と同じように配当や家賃などの不労所得メインで生活している60代の両親を見る限りでは、外食や旅行をしたりで毎月少し贅沢をしながらでも月30万円に届かないくらいとのことです。この先歳を取れば、もっと医療費なども掛かる可能性はありますが、その時にはそのぶん反対に娯楽費用が減るはずなので、出費はほぼ変わりません。
毎月36万円の根拠として、「旅行や娯楽や冠婚葬祭や医療を考慮すると…」とあるのですが、ある意味そのとおりに生きている両親に聞いても、「毎月あと6~7万円、これじゃ何に掛かるのか分からんね」とのことで、毎月36万円という数字は、ゆとりある老後生活どころか、かなり贅沢をして老後を生きる場合と捉えるのが正しそうです。
老後が心配という方に一つアドバイスをすると
あまり大きな額の現金が準備できなくても、それほど心配ありません。なぜなら、「現金しか持っていない 」状態であれば、2,000万円であろうが3,000万円持っていようが、お金の心配自体は絶対に無くならないからです。
一千万円も違えば全然状況がちがうという人もいるかもしれませんが、現金だけを積み上げて特別の出費が発生するごとにそれを毎回取り崩しつづける構造である限り、いくら持っていてもお金が減っていく恐怖から逃れられません。
加えて、個々の人間の寿命もいつ終わるのかは予測はできません 。老後資金として3,000万円どことか5,000万円貯めたとしても、当初の余命20年の設計を大幅に超えて思いもよらぬ長生きをしてしまったがゆえに、それが尽きてしまう可能性もあります。
大事なことは、とにかく老後も「働く」に代わる家賃や配当などの定期的なフローを確保することで、現金自体は1,000万円単位の大きな額を持っていなくても、全く問題ありません。
大きな現金の塊が無くても、自分が持つ不動産や株式から毎月/毎年決まった額の家賃や配当が入り続ける限り、十分に生活はできるので、仮にもし現金が2,30万円くらいしかなくても問題にはならないし、年金が少なかろうが無くなってしまおうが、全く問題なく生きていくことが可能です。