いまどき価値があるかどうか怪しいものの、今でも一定数の人がある種のあこがれのようなものを持っている「出世」について書かれたものが目についたので、今回はそれについて触れたいと思います。
クビ年齢が早くなった今、出世って意味あるのか?
東洋経済の「「出世ばかり考える人」が結局、成功しない4理由」(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191226-00319810-toyo-bus_all)によると、出世を目指しているのにできない人には、人との関係を長期的視点で見れず、組織内政治(例えば社内)に頑張り過ぎて新しい技術を身につけもせず、部下を育てず、自身の健康に気を遣わず生きてきた等の理由が有るからだそうですが、
今のご時世、そもそも出世とかいうものに意味があるかどうかも怪しいところです。昨年あたりから大企業で始まった45歳定年は徐々に定着しつつあり、今までのように一つの企業でずっと頑張り続けても一生安泰ではなくなりました。
企業によっては一人一人のパフォーマンスを細かく評価して、誰を切って誰を残すかを決めるのかもしれませんが、わりと急にもしくは短い期間で多めの人数を整理しなければならない場合だと、各個人が出来ようが出来まいが年齢で一括りにされて整理されるケースも実際に見られます。
そうなると、もし入社して以来ずっと身を粉にして組織の業績に貢献してきたとしても、いきなりそれを全否定されるようなものなので、見方によっては、頑張りすぎの積み上げは無駄なものに見えなくもありません。
頑張り過ぎの一番の問題は、積み上げた頑張りが自分自身の個人の資産にはならない(属する組織のものになる)・その頑張りを他に持っていって稼ぎ続けることができない、という点です。新たな組織に移ったら、またそこで始めから築き上げなければなりません。そこで築いたものも自分ののにはならないのですが…
出世とは関係なく、4つの理由は生きていく上で役立つ
先程の記事で出世できない人の理由として挙げられていた4つの要素は、記事の本来の趣旨とは少し離れてしまいますが、生き方として覚えておくと役には立ちます。
記事中まずはじめに、人との関係は長期的視点で構築するようにとありますが、今どういった人が必要か・誰と付き合うととりあえず今上手くやっていけそうかではなく、どの人と付き合い続けると長期的に自分が成長できそうなのか・相手もメリットを感じてくれそうか等を見極めて関係を築くのは、難しいけど重要だったりします。
次に、自分が属する組織内でしか通じない組織内政治(例えば社内)は頑張らずに、どこでも通用する+長く使える技術を身につけるべきとありますが、これもいつでも起こり得る組織都合での人員整理に備えておく意味で大切です。
出世に必要な3つ目の要素としては、自身の成長しつつ部下を育てるべきとありますが、これはある程度の規模の事業を展開したい人であれば、意識した方が良さそうです。
4つ目に健康を意識すべきとありますが、これは出世どうこう以前に大切なことでもありますが、健康を害してしまったら頑張って得たものも何の意味もなくなるので、休まなきゃと感じた時は無理をせずに素直に休むことは大事です。
ずっと使えるものを積み上げる
このように、出世するために何かを頑張るということにはほとんど意味は無さそうですが、長く付き合える人を探す、ずっと使えるスキルを身につける、健康に気を付けるといったことには、意味があり、どこでも役立つことです。今のようなクビ年齢が徐々に早まりつつある状況下では、これらを意識しつつ「本当に自分だけのもの」を積み上げるのが一番よさそうです。