このところ学習塾が経営難で苦しんでおり、倒産も相次いているようです。ダイヤモンドの記事(「学習塾」倒産が相次ぐ理由、少子化だけが問題ではなかった(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191216-00223318-diamond-bus_all))によると、その大きな要因として少子化や学習塾の乱立⇒塾バブル崩壊が挙げられていますが、もしかしたらコスパに見合わないものとバレ始めた部分もあるんじゃないかと思ったりします。
大手だけが何とか生き残っている様子
そういえば最近、昔はよく見かけた個人経営の塾の看板をあまり目にしなくなった気もします。先程の記事によると、学習塾はそれほど開業するにあたってのハードルは高くはないらしいのですが、わりと簡単に開業できるがゆえに乱立しすぎた結果、倒産が相次いでいるようです。塾を開いた講師たちも子供たちを教えるプロではあっても経営面に関してはまた別の才能が必要なため、これはどの業界でもいえることですがいきなり開業しても生き残るのは難しそうです。
業界全体としてはおそらく今は少なくなった子供を取り合っているような構図かと思いますが、そうなると大手は効率的にリソースを回せるし講師の確保もしやすいはずなので経営的には有利で、個人経営のところは必然的に苦しくなっていきそうです。大手も生き残りをかけてさらなるシェアの確保を目指しているらしく、今でもときどき起業系の雑誌にも「学習塾をやってみませんか」的なページが多く掲載されています。
塾業界についてはそれほど詳しくないのですが、意外にも大手であっても生き残るには大規模な宣伝展開だけでダメで、教育内容の優劣よりも人気講師を揃えられるかどうかがカギになるとあります。
他の理由
ここまで、記事では少子化と講師の不足が大きな要因としていますが、今の経済情勢を見ると、原因はそれだけではなさそうにも見えます。
もともと都内の私立の中学校への受験率は13%前後あったかと思いますが、リーマン直後には家計が苦しい家庭が増えて一気に落ちて、数年前までに何とか以前の水準まで回復してきたらしいのですが、ここにきて家計が苦しい家庭がまた増えているので、子どもを塾に行かせたくても毎月数万円も捻出できない状況になってきたのではないかと思ったりします。
それだけではありません。労働市場を見ると年々非正規雇用が増え続けているので、頑張ってお勉強していいお学校に行っても得られるものはその程度、とバレ始めてしまった部分もありそうです。普通に文系大卒なら正規雇用でも年収300万円、非正規で200万円台、アルバイトで100万円台となると、昔よりもコスパが悪いので塾に行けないなら行けないでもいいやという風潮になっても不思議ではありません。