ほぼ何もしていないと言ってもいいあまりにマズい数字のため思わず見入ってしまいましたが、働き盛りのビジネスマン向けに今年夏に行われた老後の資金準備に関するネット調査によると、老後不安を抱えながらも実質ほぼ100%に近い人たち(?)が結局は何も対策を打っていないようです(「ビジネスパーソンに聞いた将来設計に向けた貯蓄や投資対策の実態TOP3、3位何もしていない、2位定期終身保険、1位は?(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191215-00010006-dime-soci)」。
危機が迫っていても見て見ぬふりなのか、ほとんどの人が何も投資していない
6月に老後資金2,000万円問題が発覚して以来、少し資金に余裕がある人であれば何らかの資産運用は始めたはずとは思ったのですが、それでも自分は大丈夫と思ってしまうのでしょうか。意外と危機感は薄いようで、調査に応じた3割弱の人が全く何もしておらず、3割は定期・終身保険を掛けている程度、4割強の人が定期預金等で0.1%以下の金利を得ているだけの状況のようです。
ずいぶんのんきな結果で煽りか何かかなと思ったら、不動産や証券などへの導線もなくただ淡々と結果のみを載せているので、サンプルにはもしかしたら偏りがあったかもしれませんがウソではなさそうです。
一応、調査結果の1位には定期預金も資産運用の一つとして挙げられていますが、これは特に難しさもない代わりに、ごくわずかな利子しかつかないため、実質的には所謂ここでいつもいう投資や資産運用としてはカウントできないので、ほぼ何もしていないに等しいと見て良いでしょう。
約83%の人が将来が不安という割には、結局何もしておらずちょっとお粗末すぎる印象は受けます。コメント欄にも呆れ声しか寄せられていません。
今の定年退職者はどうなのか
調査では定年退職者の収入源についても触れられていて、約半数は公的年金に頼っている状況とありますが、現状では、標準世帯であれば老後資金の大部分にに当たる月額約20万円程度は年金で支給されるようなので、これは別に悪いことではなく、気になるのは、毎月の不足分をどう補っているかの部分ですね。
定年後に公的年金のみで暮らしている人は約半数、何らかの資産運用の上りを生活資金にしている人は8%程度しかいないとあるので、ほとんどの人は生活費が少し足りないでしょうから、約8割の人が「生活水準が低くなった」と答えたのも当然の結果かもしれません。一日の中で特に何もしない時間が2.5時間もあるとありますが、お金がなければ何かを始めるのも難しいので、これも仕方がありません。
不足分はどうすれば補える?
前述の金融庁に提出された老後資金2,000万円についての報告書によると、老後資金として毎月の不足分は約4~5万円とありますが、これは例えば中古の戸建てや高配当が付く個別株の銘柄を少し持てば、それらから上がってくる家賃や配当で補える額ではあります。
投資対象自体は日々値動きがあるので元本割れするかもしれませんが、不動産であれば一度入居者さんが付けば物件の価値の変動とは別に定期的に家賃が入り、株式であれば企業が成長し続ける限りはこれも値動きとは別に毎年配当が出ます。
貯蓄を取り崩して生きるのも一つの方法ではありますが、歳を取り貯蓄が枯渇してきたら不安を感じることになると思います。人間は何歳まで生きるか予測ができず、結局いくら貯めても安心はできません。なので、現金の塊をより大きくさせるようとするよりも、こういった定期収入をもたらしてくれるものを多く確保するほうが逆に安心を得られたりします。