何かいいニュースをお届けしたいのに、このところ経済に関して働く人にとっては悪いニュースばかりです。先日もダイヤモンドの記事では、一生懸命働いてもこの先おそらく賃金は上がらないと出ているので、あまり「職場」というところには期待せず、自分の資産を増やすことを頑張っていくのが良さそうです。
なぜ普通に働き続けても給料が上がらないのか
ダイヤモンドオンラインの「賃金が上がらない国になった、日本を待ち受ける「修羅場」(https://diamond.jp/articles/-/222495)」によると、2013年以降に一人当たりの生産性(付加価値)は上がっているものの、賃金は上がらない状況にあるようです。
記事によると、大きな要因としては、企業が非正規雇用を増やして人件費を抑制しているからで、景気が良くなっても働く人たちがその実感をほとんど得られないのはそのためのようです。
一方で企業のほうは利益を上げていて、その利益はというと、そこで働く労働者には分配されず、企業の持ち主である株主に配当金として支払われたり、投資など将来への備えとして内部に残されます。ここ数年、多くの企業が増配・株価が上昇傾向にあるのは、そういった理由もあるかもしれません。
以前も触れたかもしれませんが、確か資本論の解説書だったかには、業績アップに特別に貢献した分への報酬は、昇給やボーナスではなく、「この先も続けて雇ってもらえること」とあり、一生懸命頑張ったとしても働く人にはダイレクトにリターンは返っては来ません。
実際の苦労は全て労働者が背負い、株主だけが何の苦労もせずにお金を得るのはズルいと感じる人もいます。働く人たちからすれば、企業の業績アップに貢献した分として働き手に多めに還元されるべきものと考えるわけですが、株主の側からすれば、リスクを背負って出資をした投資先から収益を得るのは当然で、持ち主ではない働き手の人たちになぜ今まで以上にお金を払う必要があるのか、ということになります。
ここは永遠に平行線になりそうですが、資本主義社会なので、そういうものとして思うしかない部分があります。
非正規雇用の数は増え続ける
一般的に正社員よりも非正規のほうが総合的に賃金低めで雇うことができるので、これだけ人手不足と言われている状況下でもなかなか正社員を増やさない傾向にあります。先程の記事によると就業者の総数は増えてはいるものの、その伸びを上回るスピードでも非正規従業員の数も増えていて今では2,100万人にまで達しているようです。
この先もおそらく先端技術を扱える優秀な人材でもない限りはなかなか正社員としては必要としてもらえず、将来の景気減速のことも考えると、正規雇用はそんなに増やせません。普通の人はどこかに働き口があったとしても、そのほとんどが非正規雇用もしくは正規雇用でも実はブラックかも知れません。
資本主義社会なので
また、賃金の低下のもう一つの要因としては、記事にもあるとおり最近施行された働き方改革法案が挙げられています。労働時間への規制が強化されたことによって、残業代が今までのようには付かなくなってきているわりには、やらなければならない業務自体は減ってはいないので、実質的には給料が安くなったようなものでしかありません。
雇われ先で仕事を必要以上に頑張って上に上がれたとしても、その仕事での拘束時間は、ほぼ確実に長くなります。体力も今まで以上に使うことになるし、その苦労や課される責任に見合った分の給料をもらえるかというとそれも微妙です。
それと比較すると、不動産や株式は、多く持てば持つほど多少経費は掛かるものの、実入りも大きくなります。これらの運用に関わる時間も、外で雇われて働くことに比べれば遥かに少なくて済みます。
仕事場では使った時間や体力に比例して収入が増えるわけではありません。今のような状況下では、生身の自分自身以外に何も収入源を持ってないと、収入増加はあまり期待できません。
仕事か投資か。
これから先どちらをより頑張るべきか決めるのは、それほど難しいことではないですね。