先月くらいでしょうか「貧困専業主婦」世帯(例えば4人世帯で年収約240万円以下、3人世帯で年収約210万円以下)とかいう言葉が目立ち始めましたが、かつての憧れのサラリーマン専業主婦世帯に代わって共働き世帯が「勝ち組」になったのかと言うとそうでもありません。なぜなら以前このページでも触れましたが、結局サラリーマン専業主婦世帯であろうが共稼ぎ世代であろうが、一家に働く人しかいない状態である限りは、常にクビのリスクが付きまとうので、いつでも貧困になり得えるからです。
専業主婦が選べる再就職先は少ないらしく
マネーポストの「働きたく手の働けない貧困専業主婦、再就職先は「4C」が多いが…」(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191219-00000002-moneypost-bus_all&p=1)によると、今でも女性の半数が第一子出産後はいったん仕事を辞めて家庭に入り、再就職先としては介護、クリーニング、料理、レジ担当などの4C(「4C」とかいう呼び方がまたやや差別的で、これらはこれらで立派な職業とは思いますが…)と呼ばれる職種しか選べず、結果再就職できずに貧しくても専業主婦として家に留まり続けるようです。
高学歴で優秀な人なら正社員としての職場への復帰もあるのではと思いましたが、記事によると実情はかなり厳しいようで、4人に一人しかいないとあります。
これだけを見ると、共働きで子どもができた後も夫婦で働き続けるのが一番よさそうにも見えますが、それもまた厳しい道ではあります。制度自体を見れば女性が出産後も働き続けられる環境はずいぶん整い実際に働き続ける人も多く見るようになりましたが、ここで大きな見落としがあります。
一見すると一家に働き手が二人いることで安心のようにも見えるのですが、働き手は企業の都合でいつでも解雇されます。最近都内でも築10年以下でも急に空き家になった戸建てを見かけるようになりましたが、都内の分で世話になっている不動産屋さん曰く、住み替えではなく元所有者夫婦のどちらかがクビになり売りに出した物件のようです。
よく専業主婦になると生涯年収2億円分くらいの損、とかいうのを見かけたりしますが、たぶん誇張し過ぎです。女性の平均年収287万円(*平成29年分民間給与実態統計調査結果について「ハ:平均給与」」)×40年分を単純計算しても、一億円強に過ぎず、クビのリスクも考えると実際はそれすら届くかどうかというところでそこまで大きくはありません。
このことから、正社員+正社員=強い、は幻想であることが分かります。
働き手を増やすよりも
記事中には、貧困状態に陥らないためにはどうすればよいかと言うアドバイスはありませんでしたが、いつもの自分風に言えば、「とにかく働いて頑張る・働く人数を増やす」よりも、家賃/配当/広告料などの収入源を増やすことをおすすめします。
例えば我が家では稼ぎ手は自分一人しかいませんが、収入源が複数あるので妻が働かなくても特にリスクや問題はありません。少々自虐的な自慢をすると、自分がこの世に生きていなくても妻と息子は普通程度に食べていける状態ではあります。
雇われて働く、といった外的要因に大きく左右されることを一生懸命頑張り続けるよりも、ダイレクトに自分にリターンをもたらしてくれるものを多く持てるように頑張る方が経済的なリスクを軽減することができます。