健康のために「一万歩」歩かなければと思い込んでいませんか?
東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利氏は「それは大きな間違いだ」と述べております。
群馬県の中之条町に住む65歳以上の方
5000人を対象に調査し、その内500人には24時間活動量計をつけてもらい、モニタリングしました。
その結果、一日8000歩が健康効果の最大値で、それ以上は頭打ちになることが分かったのです。
頑張って一万歩以上歩いたとしても、ほとんどすべての病気において効果が見られませんでした。
それどころか60歳を過ぎてのウォーキングのし過ぎは、身体に弊害すらもたらすことが分かってきました。
弊害の代表的なものが、膝や腰などの「関節痛」だ。高齢者の中には過度なウォーキングによって膝の軟骨が擦り減ってしまい、関節を痛め、人工関節手術を受けざるを得なくなった人もいました。
よく『私は一日2万歩歩いています!』
『私は2万5000歩です!』と自慢される方がいますが、それはやりすぎだと思います。
そういった人の多くが、歩きすぎによる膝痛、腰痛だけでなく、魚の目といった足のトラブルを抱えています。
さらに間違った歩き方のまま長時間歩くことで、神経を痛めてしまう人もいます。せっかく健康のために歩いているのに、日常生活に支障が出てしまっては元も子もありません。
たとえばガニ股で歩き続けていると、インナーマッスル(深部の筋肉)や骨盤底筋が弱り、尿漏れが起こりやすくなる。
女性の場合、内股で歩く人も多いが、それにより膝が変形し、将来寝たきりになる可能性もある。
もう一つ、重要なのが、ウォーキングを行う際の時間帯です。
朝は脳卒中や心筋梗塞の死亡率が一番高い時間帯です。血液がドロドロの状態で、水も飲まずに歩き出すと、命取りになります。
また朝は一番体温が低く、筋肉や関節が固くなっています。もしウォーキングをするのなら、夕方が望ましいです。
そうすると体温が上がり、寝る時には下がるので、深い睡眠を取ることができ、認知症の予防にもつながります。
継続こそ大切なれ
ダイエットや何か新しく勉強を始める際など何事もそうですが、気負いすぎて目標を高く設定すると長くは続かないものです。
一番大切なのは日常の生活に溶け込むくらいの自然さで無理なくできることを、長く続けることだと思います。
皆さんもこれをきっかけにご自身の運動習慣を一度見直してみるのもよいかもしれません。