先週およそ半年ぶりに今治の物件視察に行きました。この日から急激に冷えて時間もちょうど真昼間ということもあってか、通りを歩く人は少なく、やや寂しい感じもあったのですが、町の経済状況について聞くと、主力の船関係(造船・海運)が横ばいだそうで、少し元気がない印象もありました。先日も国内1位+2位の造船メーカー同士の業務提携の報道がありましたが、生き残りをかけて業界の再編も始まっているようです。
船関係以外では少し明るい話題もあり、例えば加計学園の獣医学部が本格始動し始めたので、6年制の学生さんが毎年200人規模で町に流入するので、若い人も数も少し増え始めているようです。食肉加工大手の日本食研さんも工場を新設しているので、市内の世帯数も増える見込みのようです。ただ、それにともなって賃貸物件が毎年数百部屋規模で増え続けているので、賃料が落ちてしまったり、完全に供給過剰になっていたりと、賃貸経営に関しては少し難しい材料も出始めています。
町の中心部は静か
午後二時ごろの商店街の様子ですが、町中中央のデパート閉店以来、この辺りは寂しくなってしまいました。役所などには近いため今でも保険や証券や金融機関などはこのエリアに集中しているのですが、それらの店舗には経理担当でもない限りはそうそう毎日行くわけでなないですし、商業施設がなくなってからは人通りがかなり少なくなりました。
商店街の中の店の多くはシャッターが下りていて、空き店舗を借りたいという人は多いそうですが、オーナーさんたちはなかなか今の相場の賃料では貸してくれないらしく、せっかくビジネスを始めたいという人がいるのに少しもったいない感じもします。
ロードサイドや少し郊外に出ると
なので、若い世代で新たにビジネスを始めたい人たちは、町の中心部には余りこだわらず、少し離れたところに店やオフィスを構えるようです。以前も触れましたが今治の町はクルマ社会で、駅中心の文化ではないので、中央がさみしい感じがあっても、ロードサイドにはいくつも大きなショッピングセンターや全国のチェーン店が店を連ねていて充実してます。
今回は少し離れたところに夕食に案内してもらったのですが、ロードサイドからも少し離れ住宅街に入ったところに突然素敵な店が現れました。
ここCALULUでは、おしゃれで落ち着いた雰囲気の空間で、バーガーやガレット、デザートなど色んな料理が楽しめます。食べるのに夢中になりすぎて、肝心のオーダーしたメニューの写真をすっかり取り忘れてしまいましたが、各メニューはもちろん店内インテリアの細部まで、オーナーさんが徹底的にこだわりぬいて作りこまれています。今回はちょうどクリスマス限定の装飾で外も店内もなかなか素敵です。
丁寧な作り込み
この町の特徴として感じたのは、今治では「ただ○○を真似てみた」的な中途半端な感じの店を出す人は少なく、これは食べることだけに限らず、ものを取り扱うところでもそうですが、店を出すからにはしっかり作りこむ人が多く、どれも本格的な味や雰囲気や機能を楽しむことができて、都内のお店にも負けていません。
今治は美術や音楽などの文化振興などにも力を入れていて、夏にはジャズフェスティバルが開催されたりします。一度やり始めたらとことん極めるまで、というところはこういった食文化にも表れている気がします。
物件視察の際にはいつも町の雰囲気や産業について色々見せてもらっていますが、この町の奥深さには毎回驚かされます。彼らの細部にも気を使い徹底的に作りこむ部分については、web制作などでも参考にして取り込んでいきたいところです。