今の若い人たちにチャレンジ精神が無くなったとか覇気がなくなったなんて言われ始めてから久しいですが、今の30代以降のオジサンとはちがって物事をコスパで考えているはずなので、海外留学・赴任を忌避する風潮というのは苦労に見合っていないからやらないという彼らなりの結論なのでしょうか。それとも彼らだけの意識というより国全体がそうだからなのか、先日また内向き志向の人たちについて書かれていたものがあったので、今回は彼らの志向を検証してみたいと思います。
海外には行きたくない?
マネーポストの「海外志向を持たない若者たちの本音 日本の住みやすさや将来の不安も(https://www.moneypost.jp/604972)」を見ると、今の若い世代の人たちが、与えられたチャンスを生かし上を目指すべきか安定志向でずっと国内に留まるべきか思い悩む様子がうかがえるのですが、若い頃から積極的に世界を目指す人に関する記事はあまり目にしないので、本当はある程度先読みして(もしくは例えば親から将来予測を聞かされて)海外に出たいる人もいるのだろうけど、どうしても自分たちの世代の頃と比べると確かに海外へ行ってみたいという人の数は少なくなった印象は受けてしまいます。
記事中取材を受けた二人とも出来ることなら海外には住みたくないようですが、その理由も日本のほうが安全でトラブルや面倒がキライと、完全に安定志向のようですが、日本では確かに食べるものは美味しく、暮らしも買い物も便利でそこそこ治安も良く、それなりに娯楽も楽しめます。変に贅沢をしなければそこそこのレベルで暮らすことは可能です。
海外へ行けば、便利さを求めるとお金も掛かり、多文化的な社会だととうしても競争も激しく治安も良くない部分もあるので、大きなビジネスチャンスは要らないから日本で多少低くてもそこそこの暮らしでもいい、というのも分からなくはありません。
ある程度この国の将来予測に関しては理解しているようで、相対的に国力が落ちて他の国よりもビンボーになったとしても、無理にチャレンジはしたくないとありますが、何となくこれが今の日本の社会の雰囲気を象徴しているようにも見えます。日本の内需もはそこそこの規模で内向き志向でも生きていくことは可能なので、企業もあまりチャレンジしたがらないところがあるようです。
海外で育った自分としては、子供が小さくなければもう一度ベースを海外に移して色々やってみたいとか思ったりもしますが、海外市場も視野に入れるとチャンスの大きさはかなりなものですが、海外から引き揚げてきた人たちもある程度見ているためか、若い人たちにとっては想定される苦労やトラブルなどのコストにあまり見合っていないものに見えてしまうのかもしれません。
もしくは、今はいざとなったらスマホさえあれば、海外の人とやり取りができるから、というのもあるからでしょうか。翻訳・通訳機能によって昔ほど直接話せなくとも何とかなる部分も関係あるかもしれません。
外とのコンタクトに保っておく・慣れておく
記事中の男性のように完全に国内向けの公務員を目指すとなると逃げのようにも見えますが、内需で食えなくなる状況に備えてということであれば、切られにくいという意味では理にかなっている部分もなくはありません。完璧な策のように見えてそこもまた、行政のIT化が進むか進まないかという部分で少し抜けがあるような…
今のままであれば内需が徐々に小さくなることも起こり得るので、そうなると外から人を呼び込んで市場規模を保とうと動き始めるかもしれず(現に少しずつ始まってはいますが)、ある程度は外の人とのやり取りに慣れないと稼げない/生きられない、ということにもなり得るので、
何にしても、ある程度の語学力を身につけて外とのやり取りはできるようにしておいた方が良いとは思います。それに、「何か」があった時に、他に行ける・住める・活躍できる(かもしれない)場所の選択肢も増えます。
自分もあまり大きなことは言えず、今のところ持っているものは殆どが国内にあり動きづらいところはありますが、幸い今は海外にベースがなくても外の人ともいつでもコンタクトができるので、今こちらにいる仲間とだけでなく他の外の人との関わりも常に保って備えています。