老後資金として足りない部分をどう補うか、老後貧乏リスクへどう備えるか、については、自分の考えと論調が全て一致する人は中々いないので、自身の人生設計や都合に合わせて、それぞれの専門家のアドバイスの中で同感できる部分をいいとこどりをして組み合わせていくと良いと思います。
今回特に気になったものは以下の二つで、
「働く」が救ってくれないかも・72の法則
最初の記事「月10万円の貯蓄で安心?節約すれば大丈夫?将来必要なお金のほんとの話」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190914-00013322-toushin-bus_all)で、特に注目した個所は、2ページ最後部分の「つまり、かつては「働くこと」=「お金を増やすこと」だったのです。時代が変わり、収入が増えにくくなった社会…」という部分です。ただ頑張って働くことがあまり将来の備えにはならない、というのは同感です。
筆者が勧める投資について検証してみると、手持ちの資金を倍にするまでの期間を図るための「72の法則」(「72÷利率=お金が倍になるまでの期間」)を用いた場合、筆者のいうとおり、定期預金で元手の資金を倍化させようとすると確かに数千年以上掛かってしまいます。筆者は、毎年3%で運用すれば24年で倍にできると言いますが、これならそれほど難しい数字ではありません。
高配当銘柄の株式に投資をすれば、3~5%の配当は付きますから、理論上はそれを積み上げていけば24年で倍にすることはできます。含み益として毎年3~5%の積み上げを目指す、とかでなければ実現可能な数字です。
「家についてもリスクを避ける」、持ち家か賃貸か、それとも…
つづいて、「普通の会社員を老後貧乏に陥らせる「2大リスク」の避け方」(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190920-00215265-diamond-soci)の筆者によると、老後はインフレによる家賃高騰リスクを避けるためにも、持ち家に住むべきとのことですが、確かに固定費の増加を抑えるという点では有効です。また、老後にどこかを借りるとなると、入居審査に通りにくい部分もあるのは事実なので(自分としては、息子さん・娘さんが緊急連絡先としてついていてくれれば高齢者の方も受け入れていますが)、そういった意味でも持ち家があったほうが良いかもしれません。
賃貸には「住む場所を選べる・期間を区切れる」という大きな利点もあるので、どちらが絶対的に正しいというのはないのですが、持ち家にしても賃貸にしても、どちらも新築であることを前提としているならば、もしかしたら、二つとも間違いかもしれません。
どこかを借りて住むと、それは資産の積み上げにはならないため、おすすめは、中古の投資用物件を買って、新築プレミアム(新築出来立てに住む対価)支払いを避けつつ、自身が実住用に使うというのが一番安くて済むかもしれません。住んでみて気に入らないか、どこかに移る必要が出てきたら、その物件を貸し出して家賃を稼ぎつつ、また中古物件に移り住めばよいだけです。
いくつか組んで考えてみる
こうしていくつかの記事を見ると、賛成できる部分・自分には合わない部分というものが出てきますので、自分の都合に合わせて、備えとリスク管理策を組み合わせていくと良いかもしれません。