度々同じような記事は以前から何度も出てはいますが、先日また面白い記事を目にしたので、同じような記事を検索してみると「一つの会社にずっと」と予測されたキーワードが出てくるほど大量の記事がありました。読むとどれも大体、「新卒から定年まで終身で同じ会社ひとつに属すると外の世界で通用しない人間になってしまってダメかも」という論調で書かれています。
まずはではなぜ終身がダメなのか、その理由を一つ一つ見ていきたいと思います。
考えが狭くなる?
これらのどの記事にも大体共通して書かれていることは、例えば新卒で大企業や大きな組織に長い期間務めていると、その組織の中だけで通用する考え方やルールに自分が染まっていって発想に広がりがなくなる、とあります。でもここは、小さな組織であっても同じようなものだと思います。
組織によっては部署替えなどもあるでしょうから、雇用されている間にずっと同じことをやり続けるとは限りませんが、同じ組織に属する限りはその組織のやり方を見つづけて慣れてしまうことによって、新しい考えが浮かびにくくなるのかもしれません。
ちがう場所で自分を活かせなくなる?
つまり同じ組織に長くいることで、「自分が住む世界が狭い範囲に限られてしまい、その組織内での上手い立ち回り方や人間関係の構築ができるようになっても、組織の外の世界の感覚には疎くなってしまう」とあります。
確かに「その組織だけで通用していこと」が外の世界でも当たり前と勘違いしてしまう人は多いような気がします。例えば、大きな組織の中では細かい部分に関して誰かが代わりに動いてくれていたことが、外でも当たり前のようにあると思って人に命令口調で接したり、偉そうに振舞ってしまったり。過去出会った人の中では年齢が高いほど勤めていたときの感覚が外で抜けにくい傾向が見られます。
今いる組織内ではそれでいいのかもしれませんが、組織には関係ない外の世界の人にはそれはどうでもよいことで、従う義理もないので、当たり前のものとは思ってくれません。
借り物の力を自分のものと勘違いする
幾つかの記事には「あまりにも長い期間にわたってひとつの組織の中にいると、ある日突然そこから出されたときに何もできなくなってしまう」とありますが、与えられた環境が当たり前のものと思ってしまった人の場合は、確かにそうなってしまうのかもしれません。
組織内で持っている力は、本来その人のものではなく、組織からの借り物でしかありませんが、長く同じところに勤めていると、あたかもそれが自分のものと勘違いしてしまう傾向があるように思います。そのまま勘違いをしていると、ある日突然その組織を出されて、
雇われている間に貸し与えられていた力を失った=外で誰も助けてくれず(動いてくれず)何もできない、
の図式が出来上がってしまいます。
出来れば若いうちに始める
こういったことを防ぐには、できれば生涯のうちに一度くらいは転職を、もし仮に同じ組織に属し続けるにしても、必ず並行して、利害に関係なく人と接することができる集まりに定期的・頻繁に参加すること、もしくは自分でビジネスや投資を始めて、自力で動かないと何も手に入らない環境に慣れることをお勧めします。始めるのが早ければ早いほど、突然の大きな変化に対応しやすくなると思います。