老後資金2,000万円不足問題が流行り始めて以来、多くの人が将来への不安から資金準備の方法を探り始めていますが、マネー関連の記事を読み漁ると、実際に本格的な投資をしている人は非常に少ないと感じます。資産運用とか言ってもNISAやiDeCoの口座を通してファンドを買うくらいで、おそらく殆どの人は自宅以外の不動産など持ったことがないかもという印象を受けます。
現状は
こちらの平均貯蓄額や投資の現状についての記事「退職金は期待できない!「自助」が求められる時代、必要な「お金の知識」とは」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191108-00014255-toushin-bus_all&p=1)によると、2019年の二人以上の世帯での平均貯蓄額は約1,750万円で負債額が約550万円とあります。しかし本当の意味での平均と言える中央値は700~800万円なので、この平均値は中高年が退職時に受け取る退職金などが押し上げたものとあります。つまり、若い世代ほど貯蓄が少なく、投資などを始める余裕がないことがうかがえます。
記事によると、おそらく早ければ30代から自宅を買い始め、40歳未満では平均で1,200万円以上の負債を背負っており、40代に入っても1,105万円と残債は多く、負債額が手持ちの資金を大きく上回るため、何も投資をしていない/できないとしてもある意味納得です。
子どもがいれば普段は子育てにも手が掛かるので、○○会社の先行きが…等のニュースが出てもほとんど追うことができず、個別の企業等の株式を買ったりというのも難しそうです。
ですが、50代に入って負債がかなり減ってからも「金融商品保有額の半分以上が預貯金」その他も多くは生命保険等とあることから、わりと高齢になるまで本当に投資に不慣れな人がほとんどのようです。
すぐにでもできる投資として
記事では、今ではわりと転職が当たり前になって以前のように大きな額の退職金受け取る可能性も低くなったことから、老後に備えて若い頃から財形貯蓄やNISA積立やiDeCoへの積立などの制度を活用して資金の準備することが勧められていますが、財形貯蓄は通常の金利よりも高く貯めるには有利ですが積立の限度額が500万円くらいまでで、iDeCoも60歳までは手が付けられないので、毎月いくらまで積み立てるかをよく考える必要があります。
NISAなどの制度を活用するのであれば、せっかく配当金に掛かる税金なども非課税になるので、金融機関おススメの投資信託などの信託報酬が高い商品では無なくて、3~5%くらいの高配当が付く銘柄の個別株に投資する方がおススメです。
「資産運用」とあるので本当はこういった記事でも自宅の活用法などについて少しでも触れてもらいたいところですが、不動産や家についてな何も触れられていないため、ほとんどの人は家と言えば自分が住むもの、くらいのイメージしか持っていないのかも知れません。こういった記事でアドバイスをしているFPら本人たちもおそらくそうなんだと思います。
相続に関していえば、生命保険以外の金融資産はほぼ100%課税対象とされるため不利ですが、居住用に使用している不動産については様々な控除があるため、資産の中に不動産を組み込むことは有益です。あまり触れられていないということは、そこまで備える余裕がないケースが多いからかもしれませんが、相続を抜きにしても不動産は持ち主を助けてくれる強力な資産です。
50代に入ると、人によっては子育ても終わっていて広すぎる自宅の管理も面倒になってきたりするため、よりコンパクトでより便利な所に移り住むことも検討してみると良いかもしれません。部屋によっては今までよりスペースが小さくなる分、自宅を貸し出して得られるであろう家賃よりも安く済むかもしれないので、差額分は儲けと見ることができます。
不動産と聞くと単価が高く手を出しづらいイメージがあるかもしれませんが、実際には100万円台から全国各地で売り出されていて、ほとんどの物件は、持ち主の思い通りに改修して貸し出すことが可能なので、特に怖がる必要はありません。
自分は資産運用に疎いから…と逃げ回るわけにはいかない時代
前述の記事タイトルにもある通り、今は自助が求められる時代です。ならば配当収入や家賃収入を得ることができる株式や不動産についても、知らないままで居たら不利になります。老後をそこそこ楽しみながら生き抜くには、そうした知識が必要になるのではないでしょうか。