もしくするとわりとよくあるパターンなのかもしれませんが、老後の資金不足2千万円関連の記事を探していたら中々の浪費っぷりの夫婦からの家計相談の例がありました(「定年間近になって焦り、長年の浪費癖が抜けない50代夫婦」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191018-00010003-moneyplus-bus_all&p=3))。記事中ではFPが細かい改善策は挙げていなかったので、今回はそのご夫婦の家計の改善案・彼らが用意したい将来への備えを考えてみたいと思います。
上りに余裕があると、つい贅沢に過ごしてしまう
さてモデルとなったご夫婦ですが、年齢は50代後半、月収は手取りで70万円ほど、住居費が18万円で小遣いと娯楽で20万円、とありますが、それでも毎月14万円は貯金ができているようです。ただ、再雇用の予定があるとはいえ現在の月収を得られる定年までは残り4年しかなく、ローン残高も2,500万円とずいぶん多く、貯蓄が900万円しかないとなると、それは不安にもなるでしょう。
FPが言うにはこのご夫婦の貯蓄の額は月収手取り額の2割のため決して悪くはないとありますが、それにしてもあと4年だけではローンも2,000万円弱くらいにまでしか圧縮できず、貯蓄も何とか1,500万円台に届くものの、定年後も負債をカバーしきれていない状態が続きます。しかも再雇用の場合、たいてい収入は半分以下に落ちるので、このままでは確実に家計は赤字になります。
具体的に何を削るか
少しFPから提示されていた具体策とかぶりますが、まずはこのレジャー・娯楽に掛けている毎月10万円分を丸ごと削り、趣味などすべてお金の掛からないものに変えるしかないでしょう。
食費についても二人暮らしにしては毎月8万円と多いため、これも少々削れるはずです。
また、住居費についても家賃が11~13万円程度のところにでも移り住み、自宅マンションは賃貸に出して、ローン支払いと同額程度で賃貸に出すのが良さそうです。ローンについて詳しくはないのですが、そのまま部屋を貸し出すのはルール違反のようですので、介護などの何らかの理由を付けるか、もしくは賃貸可能なローンに借り換えるなどして、とにかく移り住むなどする必要もありそうです。多少の狭ささえ我慢すれば、定年後も年金生活に入った後も継続して家賃収入は上がってくるためメリットはあります。
このように追加分として捻出した毎月15万円近くを足して毎月合計29万円を貯めることで、定年時には何とかローン残高と同じか少し上回る規模の貯蓄が用意できるはずです。
ですが、これでもまだ安心はできません。というのも、たいていの場合は定年後は月収が半分近くに下がるため、自宅を貸し出して得る家賃収入を足しても何とか生活費を賄えるレベルなので、まだまだ毎月の支出額を幾らかしぼるべきです。
さらに定年後も何とかして10年は働き続けなければ貯蓄を残しながらローンを完済することができません。途中で辞めると貯蓄の一部を切り崩さなければ返せなくなってしまいます。
何とかなりそうだけどギリギリの状態
今回の記事の相談者ご夫婦は、このように支出を大きく削り65~70歳の間も働き続けることで何とかなりそうですが、それでも本当に継続して雇ってもらえるかの保証はなく、働けたとしても体にはキツいので、もしかすると自宅の購入が40代に入ってからだったのかもしれませんが、できればローンは定年前にはほとんどを返し終えた状態であることが望ましいです。